カラーコーンを使ったドリブル練習には間接的な効果があった
三浦です。
サッカー上達には練習が欠かせませんが、どんな練習をすれば効率的に上達するのか気になりますよね。
練習方法の悩みは、私たちコーチだけでなく、自主練をする選手や我が子がサッカーをしている保護者も同様かと思います。
今回は気になる練習方法と効果についてドリブル練習を例にして解説します。
練習目的と練習内容の一致
練習で大事なことは、練習の目的をはっきりと決めることです。
ドリブル練習はドリブルスキルの習得が目的であり、パス練習はパスを出すことや、パスを受ける動きを身につけることなどが目的ですね。
そして、シュート練習はゴール枠内にボールを入れることが目的であり、GKはそれを阻止することがトレーニングの目的となります。
さらに、チーム練習で行われる紅白戦やスモールゲームは、実際の試合に対応するための総合的な能力を高めることが目的になるでしょう。
このように練習方法それぞれに目的がありますが、育成年代の小学生の場合は練習目的以外にも間接的な効果があるようです。
三浦の指導経験ですが、ひとつの練習方法で2つ、3つと間接的な効果があるなと感じています。
限られた練習時間内で効率的な練習を行い、効果を上げることは選手にも指導者にもメリットがあります。
コーンを使ったドリブル練習
チーム練習や自主練習でよく行われるドリブル練習方法として、カラーコーンやマーカーを並べてドリブルですり抜けていくという練習方法があります。(以下コーンという表現に統一します)
選手たちはミスをしないように足のいろいろな部位を使ってボールを運ぶこと、コーンにぶつけないようにボールの角度や勢いをコントロールすることに集中します。
このようなコーンを使ったドリブル練習は全く実践的でないので効率的ではないという意見もあります。
動かない相手(コーン)をかわせても、動く相手はかわせない。コーンの幅よりも実際の相手のリーチは長いので、簡単に奪われてしまう。
このようないろいろな理由で否定的な意見も耳にします。
三浦はそうは思いません。
コーンを使ったドリブル練習でも、実際に相手を抜くスキルや試合で使えるドリブルスキルの習得が可能ですし、それに加えて間接的な効果があると考えています。
ボールフィーリングを高める
サッカーではボールを思い通りにコントロールすることを「ボールフィーリング」と呼ぶことがあります。
ボールフィーリングを磨く方法として、ボールリフティングが有名ですが、ボールリフティング以外にもいろいろな練習方法があります。
ちなみにクーバー・コーチングメソッドが行われる「ボールマスタリー」はグラウンドリフティングと呼ばれています。ボールと足を馴染ませる練習方法として世界中に広まっています。
コーンを使ったドリブル練習もボールフィーリングを高める効果が期待できます。
両足のイン、アウト、片足のイン、アウト、ソールを使って引く、転がすなど、タッチの種類を増やすことがポイントです。
ステップワークがよくなる
ドリブルをよく見るとボールを運ぶと同時に体も移動し続けています。
ボールを運ぶことは体を移動させることとイコールとも言えます。
素早く正確にバランスを崩さず体を移動させるためのトレーニングがステップワークトレーニングですが、ドリブル練習は間接的にステップワークトレーニングとも言えます。
ステップワークトレーニングとして効果を出すためには、ボールの動きについていくのではなく、ボールが動く方向にしっかり体の向きを変えること、細かいステップ、大きなステップを使い分けること、スピードの緩急をつけることを意識すると効率的です。
アジリティ能力が高まる
アジリティとは瞬発力やバランス能力など体の動きをよくすることです。ステップワークだけでなく、体幹を含めたバランス能力が高まります。
ミスをせず素早く正確にドリブルすることだけでなく、ミスをした時のリカバリー(タッチミスをした時に、素早くボールを持ち直して再開すること)などの身のこなしがよくなります。
アジリティ効果を期待するためには、ミスを恐れずトップスピードでドリブルすることや、緩急のメリハリをしっかりつけてドリブルを行うことです。
なお、アジリティ効果を高めるためには、背の高いコーンやできればポールを用いることがよいでしょう。
高さが低いマーカーでは、マーカーの上をまたげてしまうので、障害物としての効果が薄れます。
心肺機能と筋持久力アップ
コーンを使ったドリブル練習は、心肺機能や筋持久力トレーニングの効果も期待できます。
例えば、コーンを1.5m間隔で10本並べるとおよそ15mですが、2列作ると30mになります。
少々の待ち時間がありますが、15mダッシュを何本も繰り返すことで心拍数があがります。
インターバルトレーニングを行っていることになりますので、心肺機能の向上が期待できます。
しかし、低学年や体力のない選手には負荷が強すぎることもありますので、コーンの本数、待ち時間などを工夫することが必要です。
また、このトレーニングはダッシュとストップを繰り返すので下半身を中心とした筋力の持久力も向上します。
サッカーの試合では頻繁なスプリント能力が求められます。
そのため、ボールを用いないで「スプリントトレーニング」を行うことも多いです。
しかし、ボールを用いないトレーニングでは、走りのフォームの矯正にフォーカス(足首の使い方や腕の振り方など)したほうが効率がよいでしょう。
また、ラダートレーニングも同様の効果がありますが、複雑なステップを正確に素早く行うことで、脳と足さばきの連携をよくする効果が優先されます。
このトレーニングも体がまだ疲労していないフレッシュな状態で行うことで効果が得られるので、分けて考えたいです。
このような考え方で、コーンを使ったドリブル練習を行うことで、知らず知らずのうちに心肺機能や筋持久力がアップすると考えています。
まとめ
ボールを用いたトレーニングは小学生の子供たちは大好きです。サッカーのための体力はボールを用いたトレーニングで身につけたいものです。
コーンを用いたドリブル練習では、体全体を使うことや姿勢に注目し、コーンを並べた列の長さや回数などを工夫して、負荷の調整を行いましょう。
これは自主練習でも同じことです。親子でもできるトレーニングです、楽しみながら行ってください。
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