パスコースを増やす、パスコースを選ぶ
三浦です。
今回もパスワークの話題です。
コミュニケーションを良くするとパスワークが良くなるという記事を書きました。
今回はその次のステップについて書きます。
パスコースを作るという事は移動し続けること
味方がボールを持っている時に、パスコースをどれだけ作れるか?という能力が試合では大切になります。
パスコースを作るという発想は、小学1、2年生でもイメージすることはできますが、具体的にパスコースを複数作るとなると、小学5年生以上にならないと難しいです。
三浦のチームを例にすると、4年生から「パスコースを作ること」を意識して指導して、試合で「パスコース増えてきたなー」と実感するまでだいたい1年くらいかかります。
選手たちは個々に成長しているのですが、パスコースを作って実際にパスが成功するためには、チームの7割くらいの選手が同レベルにならないと難しいと考えています。
パスコースを3つ作るという事は、ボール保持者を含めて4人がイメージを共有出来ないといけません。
縦、横、後ろの位置でサポートする動きが、漏れなく重複もなく出来るようになるためには4人プラス3人、つまりフィールドプレーヤー全員が連動して移動する必要があります。
サッカーではワンプレーごとに足を止めてはいけないと言われますが、パスワークとは移動し続ける事なので、小学生にはぜひ身につけて欲しいです。
高さと幅と厚みを作ろう
では、どのように動けばいいのでしょうか?
ひとりひとりの動きというより、フィールドプレーヤー全員の動きについて考えてみます。
少年サッカーのゲームの攻撃の場面では、高さと幅と厚みが必要です。
これは大人のサッカーでも同じことなのですが、少年サッカーは8人制のため、FW、MF、DFの3列でゲームをすることが多く、FWが MFに飲み込まれ、2列となり、厚みが出来ずらいという現象から、特に厚みの意識は大切です。
また、コートの形が横はばが広い(標準サイズは、縦68m、横50m)ので、幅をとるためには、意識してタッチラインまで広がらないとスペースを作ることができません。
サイドポジションの場合、味方との距離をとっているつもりでも、タッチラインまで5mも余っていることがあります。
そして、高さですが、フォワードになかなかボールが入らないとどうしてもボールをもらいに中盤に下がりがちになります。
そうすると高さが生まれませんし、中盤のスペースを潰すことになります。
三浦は選手たちにポジションを指示する時に「幅、厚み、高さ」というコーチングしかしない事もあります。
それだけで選手たちが、首を振りながらポジションを変え始めます。
どうしてもボールサイドに人が寄りがちなので、ボールと逆サイドの選手の動きが大事です。
パスを出したら動く習慣
ボールを出した瞬間に、パスの受け手になるので、パスコースを探して、あるいはパスコースを作るために動かなければなりません。
パス&ゴーと言いますが、現代は、パス&ムーブなので、状況によってパスを出したあとに、バックステップする必要があるでしょう。
ボールに関わる選手が絶えず動くことが大切ですが、どこへ動くかという判断力とパスを出したら動くという習慣を身につける必要があります。
多色ビブスを使ったトレーニング
普段の練習でパスを出したら動かざるを得ない状況を経験することが大事だと考えています。
見て判断するというトレーニングでは、多色ビブスを使ったトレーニングが有効です。
ボールポゼッションのトレーニングで、ある程度の大きさのコートに8人が入り、2人ずつ同じ色のビブスを着てパス回しをします。もらった色とは違う色にしかパスを出せないというルールです。
赤、黄、青、緑の4色のビブスを使った場合、黄の選手からもらったボールは、別の選手であってもパスを出せないルールです。自分が何色を着ているかという認識とボールを受ける前に前もって周り見ておくということが必要です。
難度を上げていくと、黄から受けたら青にしか出せないなどという事もバリエーションとなります。
タッチ数は2タッチまでなどタッチ数の制限でも難度は上がります。
選手の熟度を見てレベルを調節しています。
パスコースの選択
パスコースを作った選手たちは、もし自分にボールが来たらどういうプレーをするかをイメージする必要があります。
前線から下りて来てパスコースを作った場合、ボールを受けてターンをしようとすると後ろからのプレッシャーを受けます。
そのプレッシャーを簡単に外せるのか、外せそうもないなら、前を向いている味方に戻して、さらに動いてもらい直すという動きも出てきます。
パスの出し手は、受け手の次のプレーをイメージしてパスを出す必要があります。
パスコースの選び方は、次のパスがどんなパスになるかというイメージを含めて選ぶという事ですね。
コートを広く使う
パスを出す、パスを受ける練習を重ねていくとどうしても人だけに注目しがちです。
ゴールを使ったゲームでは、ゴールとゴールの往復になりがちです。
コートを広く使うとスペースが生まれ、スペースを上手く使うとパスを出す、パスを受けるプレーが楽になる事に気づきます。
しかし選手たちはどうしてもボールに寄りがちになるので、広く使う意識を常に持ち続けるようなコーチングが必要です。
まとめ
少年サッカーではボールを蹴る、止めるというスキルに重点を置くことは大切です。
しかし、動きながら蹴る、動きながら止めるというスキルじゃないと試合では通用しません。
普段の練習でも「動きながら、移動しながら」という意識が必要です。
そのような練習では相手をつけて行う(オープンスキル)の練習が効果的です。
コーチとしては、ドリル的な練習と試合に近い練習をちょうどよいバランスで練習メニューを組むことが大切です。選手もひとつひとつの練習メニューの目的を理解して行うと効率があがります。
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