「ラン・ウイズ・ザ・ボール」トップスピードでボールと移動する
三浦です。
小学生の選手たちはドリブルが大好きです。
しかし、新年度になって対外試合をするようになって感じたことがあります。
それは、ドリブルの使い方です。
相手を抜くことがドリブルだと思い込んでいる選手がいます。
そんな選手のために「ランウイズザボール」について練習しました。
ボールと一緒に走る
ランウイズザボールとは文字通りボールと一緒に走ることなのですが、実際は違います。
ボールを運びたい位置にいち早くボールとともに移動することです。
ボールを数多くタッチすると多くの選手はスピードダウンします。
ボールのタッチ数を少なく、でも、コントロールできる距離でボールを運びます。
ボールと一緒に走るというよりも、目的地にボールをいち早く運ぶ、という表現が適切かも知れませんね。
大きいドリブル(低学年)
小学生の低学年には「ランウイズザボールをやろう」と言ってもまだ通じません。
三浦は選手に「大きいドリブルをしよう」とコーチングします。
小さいドリブルとは、ボールを数多くタッチして相手選手や味方選手がいるゾーンで行うものです。
大きいドリブルとは、スペースにボールを持ち出して、ボールを大きく蹴り出しボールに追いつき、またボールを蹴り出して追いつくという繰り返しです。
ボールを大きく蹴り出すと相手が奪いに来ますが、奪われる寸前でタッチしてスペースに運び出します。
気がつくと相手ゴールにあっという間に近づくので、大きいドリブルの効果を認める選手は多いです。
ただし、スペースで行う必要があるので、コートの中央よりはサイド付近で行う例が多いですね。
大きいドリブル(高学年)
低学年のときに大きいドリブルを指導された選手も4年生以上になると大きいドリブルの使い方が変わってきます。
相手チームのディフェンスの裏を狙うドリブルをするようになる
スペースを切り裂くように運ぶドリブルをするようになる
その時のドリブルは、ボールを細かく押し出すようなドリブルではなく、インサイドでボールを目的地に走らせ、自分が素早くその後を追うというものです。
自分から自分へのパス
と言えるかも知れません。
低学年の時には、相手に奪われることも多かったのですが、高学年になると相手の位置、自分の位置、スペースの大きさ、自分の足の速さを判断して、ボールを押し出す距離やスピードを決められるようになります。
また、強く速いボールを押し出すだけでなく、目的地の小さなスペースで追いつけるようにボールに逆回転をかけることも覚えてきます。
グラウンダーだけでなく、浮き玉を使ってランウイズザボールをする選手もいるということです。
ランウイズザボールの練習方法
シンプルな練習方法を紹介します。
- 選手が立っている位置にマーカーを置きます。
- そこから約10m先にマーカーを置きます。置き方は、2m四方の四角形の形にします。
- コーチは選手の後方、横、斜め後ろなどに位置してボールをパスします。
- 選手は2タッチ以内で前を向き、2タッチ目でボールを10m先に向けて蹴り出します。
- 蹴り出した瞬間、その足がスタートの第1歩目になるようにします。
- ボールを追いかけて、コーンで作られた四角のエリア内でタッチします。
追いついてボールを止めて、走り抜けてしまう選手もいますが、それはコントロール出来ているとは言えません。
エリア内でタッチして、さらにドリブルができるようにします。
エリアの先にミニゴールを置いて、シュートで終わるという方法もいいでしょう。
また、ハーフコートのサイドでこの練習を行って、ゴール前に走り込む味方へのパスを出すという方法も行うことがあります。
段階的に実践に近い形にしていくことがよい方法です。
ランウイズザボールの意外な効果
サッカーの試合でドリブルをすると、コート内の全選手の注目を集めます。
小学生の試合の場合は特に目立ちます。
長い距離をひとりの選手がボールを運ぶと相手選手はボールウォッチャーになります。
味方がランウイズザボールをしている時に、ボールを持っていない選手たちがどこに動くか。
近づいた方がいいのか、離れた方がいいのか。サポートの方法で大きなチャンスを作ることができます。
まとめ
味方がランウイズザボールをしている時に、してはならないプレーは、ドリブルする選手の前に立ってボールを要求してしまうことです。
コースを消してしまうこと。これは他のプレーにもあることですが、指導者がこのような場面を見た時には決して叱るのではなく、なぜよくないプレーなのかを理解させる必要があります。
ボールに触りたい、プレーに関わりたいという気持ちの現れは必ずしもよいプレーとは限りません。
それが「判断力」です。
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