☆すべては正しい基礎基本から

スキルアップ 檜垣裕志 講師

★サッカーはサッカー

ブラジルサッカーはどうとか、南米は、ヨーロッパは、日本のサッカーとは?みたいなことを言われたりするけど、世界中、サッカーはサッカーです。

先ず何が重要かというと、サッカーの正しい基礎基本です。

誰もが基礎基本が大事とは言うけど、では、具体的に、マイボールはゴールするため、相手ボールになったらゴールさせないためということが本当に頭にあるのか?身体に染み込んでいるのか?ということです。

日本の子どもたちには、こういうことから覚えていかなければならないのに、ほとんどは、それができていないでしょう。

大人が「開いてもらえ」と言うから、ただ開く、「体で行け」と言うから、ただ体でぶつかりに行く、「ファールしてでも止めろ」と言うから反則をする…そこには、サッカーの正しい基礎基本はありません。

★サッカーの正しい基礎基本がわかっていれば

マイボールになればゴールするため、相手ボールになればゴールさせないため、これが本当にわかっていれば、ボールを持てる技術は当たり前ということになります(簡単にボールを取られる技術では、ゴールに結びつかない)

そのためには、ボールコントロール技術は絶対に必要で、より良くボールを持てるには、良いボールの持ち方、良いボールの置き場所は絶対に必要です。

そこで「利き足にポイントの技術」ということになります。

ディフェンスにしても、相手ボールになった瞬間に、ゴールさせないということが頭に正しくあれば、今ボールを奪いに行くのか、それとも引いて、相手の攻撃を遅らせた方が良いとか、あらゆる判断につながります。

ボールと利き足が正しくつながっていれば、ボールに合わせる、ボールを追える、ボールに行くことができます。

逆足だ、両足だ、ではなくて、「利き足とボール」が正しくつながっていれば、オフェンスにもディフェンスにもつながります。

そこには「利き足だけ」という安易な考え方はありません。

★周りを見れるようになるには

サッカーの正しい基礎基本を身につけられるようにしていけば、周りを見れるようになります。

マイボールになればゴールするためということがわかっていれば、ゴールの位置、ボール、味方、敵を見て判断せねばなりません。

周りを見るにも、サッカーの正しい基礎基本がわかっていてこそです。

相手ボールになれば、ゴールさせないということも、ゴールの位置、ボール、味方、敵を見ての判断になりますから。

★ボールを持てなくなったブラジル

ブラジルにはサッカーの技術書はありません。

なぜなら、ボールを持てることは当たり前で、マイボールはゴールするためが当たり前にわかっているからです。

ということは、自然に利き足でボールを持ち、利き足にボールを置くのは必然です。

サッカーを知っているブラジル人には、日本のような技術書も指導も必要ないのです。

しかし、昨今のブラジルサッカー事情は、サッカースクールが増えてきました。

そこには、練習メニューがあります。

本来、ストリートサッカー、ミニゲームで、あらゆるサッカーの感性を育んできたものに変化があらわれてきました。

★世界中、練習メニューは大きく変わらない

ブラジルの練習メニューも日本の練習メニューも変わりはないです。

両足でボールを扱うメニューは普通にあります。

ただし、ブラジルでこのメニューをやらされる頃には、プロクラブにセレクションに受かり、すでに、良いボールの持ち方、良いボールの置き場所、良いボールコントロールができています。

しかし、今は、プロクラブに入る前に、スクールなどで、両足メニューをやらされるわけです。

そうなると、良いボールの持ち方は失われてしまいます。

ブラジルには指導されなくても、良いボールの持ち方につながるものがあったのに、それこそ、両足メニューによって、ブラジル人の良さを消してしまうことになっているのです。

★利き足というキーワードの意味

良いボールの持ち方には、「利き足」というキーワードがあります。

それは、世界のトッププレイヤーたちを見れば、はっきりとわかります。

しかし、南米の選手とヨーロッパの選手のボールの持ち方には違いがあります。

ボールを持てる技術がある選手には「利き足」という共通点があっても、南米とヨーロッパには、子どもの頃からの指導に違いがあるからです。

例えば、本来ブラジルは指導されずにボールの持ち方を身につけますから利き足が中心になります。

ドイツでは、育成年代からボールコントロールメニューがあり、両足でやらされます。

そこから、ボールの持ち方に違いがあらわれてきます。

今のブラジルは、サッカースクールで両足メニューをやらされて育つと、当然、ボールの持ち方は変わっていきます。

ブラジルも、小さな頃からの練習メニューによって、ボールの持ち方が変わり、ボールを持てるブラジル人でなくなってきています。

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