新年度から取り組む学年別トレーニング(小学6年生)

三浦直弥 トレーニング 講師

三浦です。

新年度から取り組むトレーニング方法として、小学2年生、小学4年生、小学6年生と続けて紹介しています。

3月時点で5年生の選手は4月から6年生で最高学年です。U12リーグ、U12選手権は6年生主体の大会です。

チームによっては、トップチーム、Aチームと呼び名があるでしょう。

6年生という立場

5年生の頃は、1学年上の6年生に頼っていた場面もあったことでしょう。しかしもう頼る先輩はいません。下級生から頼られる存在です。

6年生という学年は少年サッカーの最高学年であると同時に、中学サッカーへの移行の時期でもあります。

小学生として最後のプレーをすると同時に、中学での11人制サッカーの準備段階としてとても大切な1年になります。

トレセン活動でも、6年生はU12トレセンというカテゴリーで活動するようになります。選出された選手は、都道府県対抗の試合などで試合をする機会もあるでしょう。

保護者の方々においては、チーム運営に関わることも多く、親子ともに密度の高い1年となることでしょう。

よい思い出になるよう、よい準備と計画性を持って活動していきましょう。

技術の精度を高め、豊かな創造力を育てる

小学6年生は小学生サッカーの仕上げです。

発育発達過程でも、5年生から6年生にかけて体格が大きくなる選手も多いです。

パワーがつくので、プレーに迫力が出ます。しかし、ボール扱いや判断が雑になったり、力まかせのプレーにならないような注意が必要です。

中学に向けて、また、小学生のまとめとして意識して練習したいことは「技術の精度を高める」ことと「豊かな想像力を育てること」です。

集中して反復練習できる能力

キック、トラップ、ドリブル、シュートの精度を高めるためには、反復練習が欠かせません。

サッカー選手を続ける限り、これらの反復練習は続きます。

小学6年生は基礎体力と基礎技術が備わっているので、これらの反復練習の回数や時間を増やしたいです。

ひとりで出来る練習として、壁打ち(またはそれに代わるもの)がおすすめです。

JFAアカデミーを見学に行ったことがありますが、中学1年生の選手たちのノルマは壁打ちでした。

当時の島田コーチに言わせると、戦術や判断力は後からでも指導できるが、技術の精度は自分の感覚しか上達の方法はないとのことでした。

キックの精度を高めるためには、選手本人が繰り返し練習で感覚を掴んでいくしかないということでしょう。

集中して繰り返し練習が出来ること。これを小学6年生から取り組んでいきたいですね。

壁打ち練習はチームの施設か安全な場所を選んで行いますが、壁までの距離、的の大きさは自分で決めましょう。

基準は、100本蹴ってノーミスを目指すくらいのハードルを設定します。

壁に向かって蹴り、跳ね返ってきたボールをワンタッチコントロールして蹴り返す。

これを淡々と繰り返すだけのトレーニングです。壁は疲れることなく延々と練習相手になってくれます。

壁との距離、ボールの質(ゴロ、浮き玉)など工夫してトレーニングします。

創造力のあるプレーとは

たくさんのサッカーの試合を経験してきた6年生には、創造力豊かなプレーを求めたいです。

単調なプレー、相手チームの予想どおりのプレーでは、正確な技術を持っていても試合で活躍することはできません。

シュート、パス、ドリブルどれもが選択肢はひとつではありません。多くの選択肢の中からオリジナルの発想と意表をつく選択をすることで、プレーの幅が広がります。

想像力豊かなプレーの原点となるものは、視野の広さです。視野の確保が想像力を産むと言っても過言ではないでしょう。

視野の確保に必要な技術

豊かな創造力を産むためには、視野の確保が必要です。視野を確保するためには、ボール以外を見る時間が必要です。

ボール以外を見るためにはボールを見る時間を最小限にしなければなりません。

そして、周りを見るための時間を作り出す必要があります。

パスを受ける時に、周りを見る時間、スペースを作りだす方法があります。

パスを要求する位置から動かなければ、時間を作りだすことは出来ませんが、受ける前にフェイクの動きを入れることで時間とスペースを作りだすことが出来ます。

フェイクを入れてバックステップをしてスペースを作りながら周りを見ます。

相手が気づかないスペースが出来ている可能性がありますし、味方をそのスペースに走り込ませるようなパスを出すことも可能です。

ひとつの例ですが、創造力は、視野の確保、時間、スペースなどとセットで考えるとわかりやすいです。

意表を突くにはボールを持っている選手のイニシアチブと創造力が勝負です。

パワーと体格に頼らずコツコツと技術を磨く

6年生になりたての4月は体が小さくても、夏休みが終わる9月頃には身長が伸び、体重が増える選手も多いものです。ボールを蹴ると以前より飛ぶようになります。足も速くなり、当たり負けしなくなるので、プレーが大味になり、ボールコントロールが雑になります。

これが小学6年生の落とし穴です。このまま中学に進学するとコツコツと練習してきた仲間との間に大きな差が生まれてしまいます。

パワーに頼らずボールを丁寧に扱うことを続けましょう。中学になると他の選手も体格が大きくなりパワーがついて来ます。そんな場合でも、コツコツと技術を磨いておくことで、安定したプレーが出来るようになります。

有意義な6年生を過ごしてください!

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