新年度から取り組む学年別トレーニング(小学4年生)
三浦です。
新年度のトレーニング計画を学年別に作成しています。
今回は小学4年生です。
小学1年生からサッカーを始めた選手は、3年間のトレーニングでボールコントロールが上達し、試合も経験しているので攻める、守るの基本的プレーも身について来ています。
体力もついてきたので、試合中に足が止まる場面も少なくなってきています。
しかし、小学生のサッカーが本格化するのは4年生での活動でもあるので、4年生では何を目標にトレーニングしていけばいいのか解説していきます。
技術トレーニングの特徴
小学2年生までは、ボールと自分の関係がメインでした。ボールを自分の思い通りに扱うことが目的です。
しかし、小学3年生になると、ボールを奪いに来る相手からボールを守り、また、ボールを奪いに来る相手をかわす、ボールを奪いに来る相手を抜くという場面に主体になります。
つまり、ボールと自分と相手という関係ですね。
そして4年生になると、ここに「味方」が加わります。
ボールを奪いに来る相手を自分でかわすのか、味方と組んでかわすのか。
具体的には、ワンツー、壁パスという場面です。
小学4年生では、ボールを出す選手、壁になる選手それぞれの役割が出来るようになることが目的です。
ボールと相手と味方の関係で攻撃と守備が成り立ちます。
技術トレーニングは小学3年生までと変わりませんが、味方や相手を「見る」「判断する」という要素が加わってきます。
ボールばかり見ないこと
相手を見ること、味方を見ること。それぞれ時間が必要です。ボールを見ながら相手を見る、味方を見るということはほとんど無理です。
小学2年生はボールだけ見ていればよかったのですが、小学3年生は相手を見てボールを動かすということができれば良かったので、それほどボールから目を離す場面はありませんでした。
しかし、味方を見る必要が生まれることで、ボールばかり見ていてはいけない場面が多くなります。
逆にいうと、わずかな時間、正確なタッチでボールを扱うスキルが必要になります。
ボールをじっくり見ていればトラップは成功するけれど、チラッとみただけでトラップを成功させなければならないということです。
キックする時、ドリブルする時にボールを見る時間も短時間です。
スプリントを繰り返す体力
8人制サッカーが本格的になってくるのは小学4年生からです。
味方からのパスを受ける、味方へパスを出してスペースへ走る。小学4年生のサッカーは、動きながらのプレーが多くなります。
自分や味方のボールが奪われれば、奪い返すために走らなければならない。相手をフリーにしないようプレッシャーをかけ続けなければならない。
試合中に長短のスプリントを繰り返す場面が多くなります。
筋持久力とともに心肺機能も必要になってきます。
走力をアップさせるためのトレーニング
小学生のサッカーでは、この時期から2つのトレーニング方法に別れるようです。
ひとつは、フィジカルトレーニングを重視するサッカーです。
走力をアップすることで、チャンスを多く作り、ピンチを減らすことが出来ます。
そのために、ボールを使わずにフィジカルトレーニングとして、ダッシュやランニングを取り入れるチームがあります。
ボールコントロールのトレーニング時間をその他に設けるとなると、練習時間が長くなります。
練習時間が長くなると、ボールを使った練習では集中力を欠くことになり、フィジカルトレーニングでは怪我が心配です。
焦点をどこにおけばいいのか。
ボールを使って走力アップする方法
スプリントを繰り返す場面を数多く作り、筋持久力と心肺機能をアップさせるなら、ボールを使ったトレーニングでも可能です。
それは、スモールゲームを行うことです。
スモールゲームとは4人対4人のゲームを指します。
一般的にはミニゲームと言われています。
通常のミニゲームでは、ボールがコートの外に出るといったん全員の足が止まり、スローインやキックイン、ゴールキックまで休むことができます。
この休む時間を極力無くすことで、心肺機能の向上に役立ちます。
また、ゲームルールにタッチ制限をつけることで、走らなければならない場面を多くすることもできます。
例えば2タッチまでという制限をつけると、ボール離れがよくなるので、ボールを受ける選手は絶えず走り続ける必要があります。
ドリブルを自由にしてしまうと、味方は走らない可能性がありますので、ドリブルは相手エンドに入ったら出来る、自軍エンドではパスのみというルールを作ることで、ゲーム自体のテンポが早くなります。
コートの形を縦長にして、サイドへの展開を少なくして、ゴールからゴールへの攻防を多くするなどの工夫もできます。
ピンチとチャンスを感じること
このようなゲーム中心のトレーニングにより、チャンスを作ること、ピンチを防ぐことを自然に学ぶようになります。
攻撃プレーのトレーニングに終始するように見えますが、相手のパスをどこでカットするか、相手にフリーでボールを持たせるとパスを回されてしまうなど、守備の基本を学ぶようになります。
守備のセオリーであるチャレンジ&カバーについては、特別に時間を設けて選手の理解を深める必要がありますので、ゲーム万能ではありません。

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