ジュニアサッカークラブの年間活動計画を立てる

三浦直弥 トレーニング 講師

三浦です。

ジュニアサッカークラブにとって、毎年3月はとても忙しいです。

卒業する6年生の仕上げのトレーニングと卒団式の準備だけでも忙しいのですが、5年生以下の新年度に向けたトレーニングが欠かせないからです。

5年生以下のトレーニングは、新年度の活動計画を立てるために、選手やチームの現状のパフォーマンスを把握することが目的になります。

このような活動の概要についてお伝えします。

新年度の活動目標を設定する

活動目標と言うと、大会スケジュールや合宿スケジュールなどのイベント対応と考えがちです。

しかし、三浦のチームでは、現在の選手がどうすれば成長できるかということで活動目標を立てます。

令和5年度はここ3年の活動自粛期間と異なり、やっと通常の活動ができそうです。

所属する4種協会のブロックの計画に合わせ、どんなチームを目指すのか、どんな選手を育てるのか、チーム目標と選手それぞれの目標を立てて、具体的なプランを作成していきます。

競技活動がメインになりますので、大会への参加や大会前の準備としての練習試合を基本スケジュールにしますが、大会後には休養期間を設けるようにします。

練習がない日を設定したり、試合をいれない週を決めたりします。

新年度の始まりにこのようなスケジュールを決めておくことで、選手や保護者への負荷のコントロールができます。

休養期間には、他チームからの交流試合のお誘いもありますが、休養期間という理由で納得していただいています。

計画は大事ですね。

新年度の練習計画を立てる

この3月には各学年やレベルに分けてざっくりとした練習計画を立てます。

サッカーの技術はとても種類が多く、練習方法も豊富です。レベルが低いものから高いものまでコーチが選手の状況を把握してセレクトしていく必要があります。

サッカーの個人技術の習得には、繰り返し練習が必要なものが多いです。

繰り返し練習によってしか身につかない技術も多く、いきなり難度の高い練習に取り組んでモチベーションが下がることがないよう気をつけています。

しかし、選手たちは基本練習の繰り返しに飽きて、モチベーションが下がることがあります。

そんな時でも、現在の基本練習の次に取り組む難度の高いプレーのトレーニング内容がわかっているとモチベーション低下を防ぐことが出来ます。

個人技術の練習計画を立てる

選手ひとりひとり、得意なプレーや苦手なプレーがあります。

苦手なプレーを身につけるためには、苦手な理由を突き止めて、そこを克服する必要があります。

苦手な理由としては、ボールタッチが不正確なことや、ボディバランスが不安定なこと、さらにはプレーが持つ意味の理解不足などがあげられます。

例えばドリブルが苦手な選手の場合、ボールタッチ、ボディバランスの両方の改善が必要な場合があります。

その場合は、ボディバランスをよくすることを優先にしたり、バランスが崩れにくいドリブル練習を取り入れることが必要です。

コーンを使ったドリブル練習などでは、比較的バランスが崩れにくいインサイドタッチから練習を始め、慣れてきてからアウトサイドタッチを取り入れるなどの工夫をしています。

小学生の場合、出来ないプレーでも続けていれば出来るようになるという精神論ではなく、発育発達の途上にあるということを前提に指導する必要があると考えています。

個人差がありますが、苦手なプレーにはパターンがありますし、克服するために必要な期間も経験から想定できます。

小学校の学習カリキュラムのように、やらなければならないことが決まっている訳ではありません。

サッカーを楽しむために必要なスキルをひとつひとつ、身の丈に合わせて付け加えていくことがトレーニングだと考えています。

個人の練習計画はそういう意味でとても大切です。

計画したことの確認をする

年間計画は選手、保護者も知っていなくてはなりません。

指導スタッフは、ホームページや配布物を使って年間計画を周知します。

三浦のチームでは、サッカーノートの表紙の裏に貼るようにしています。

個人ごとに目標が違う項目は、手書きです。

1年を4つに区切り、計画したことがどれだけ出来ているか確認するようにしています。

6月、9月、12月、3月の4回です。

また、節目の大会に計画を見直すこともあります。

サッカーノートの文字を見て、3ヶ月前に出来なかったことが3ヶ月後に出来るようになっていることを確認すること。

これはサッカーに限らず、小学生が大人になる過程で有益な経験だと考えています。

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