【高校サッカーから学ぶ】小学6年生が高校サッカーに備えておくべきこと

三浦直弥 講師

三浦です。

高校サッカーの年代は、U16からU18年代です。

少年サッカーの育成は、U10から本格的に始まり、高校生年代であるU18を育成年代の目標地点としています。

小学6年生はU12ですが、高校サッカー選手権に出場している高校1年生がU16であることを考えると、わずか4年後の姿ということになります。

中学生年代、U13からU15の3年間をどう過ごすか、どんな練習をすればいいか、どのような環境でサッカーをすればいいのか。気になりますね。

今回の高校サッカー選手権大会を見て、全国大会出場、いや、優勝を目標に頑張ってみたい!という夢を持ったサッカー少年も少なくないのではないでしょうか。

少年サッカーはあくまでも11人制サッカーの準備段階です。

目指すサッカーとは

第101回高校サッカー選手権大会に出場したチームを観察して、よいチームのよいプレーを拾い出してみました。

「こぼれ球やセカンドボールへの反応が速い」

これは、周りを見る力、ポジショニング、ダッシュを続ける体力、ボディバランスが優れていることが必要になります。

強いチームは、パスミスを見逃さず、ルーズボールを拾う能力が優れています。ボールを拾う場面では必ず競り合いになりますので、接触プレーに対する強さが必要になります。

ペナルティエリア内のこぼれ球をボレーシュートするシーンがいくつかありましたが、地面に落とさないダイレクトプレーの正確さが勝敗を分けるものです。これは個人能力の高さが求められます。

「パスコースの多さ、選択肢が多い」

これは、パスを受ける選手の動きの質、サポートの質がよい事を指しています。パスの出し手だけでなく、パスの受け手としての能力を高めることが必要になります。

「コンビネーションと正確さ」

これは、パスの出し手と受け手という2人の関係だけでなく、3人目、4人目の動きの質の高さを現します。

ボールが正確に動くと同時に、ボール無しの選手たちも動き出しのタイミングと場所の正確さが求められます。

「ディフェンスの強さと賢さ」

単に1対1に強い、相手FWを抑え込めるという力ではなく、連携した守備や、リスクをおかしても危ない場面に飛び出していく判断力などが求められました。

クリアボールの正確さやビルドアップ能力なども求められるので、中盤から後ろの選手の能力がチーム力と言っても過言ではありません。もちろんフォワードの献身的な守備も必要とされます。

「PK戦」

カタールW杯でも話題になったPK戦ですが、高校サッカー選手権大会でもPK戦を含めた力が求められます。

PKのコース、GKのセービングともに選手の個人能力によるものですが、かけひきやメンタル面での強さなど、チームレベルでの強化が求められます。

プレースキックが苦手という選手も多いものです。しかし、ひとりでも少人数でも出来るのがプレースキックです。キックのスキルを上げることが求められます。

中学時代が大事である理由

中学生時代の3年間のトレーニングが大事な理由は、小学6年生が上記に上げたプレーやスキルレベルに到達するまでにはロードマップが必要だからです。

キック力だけを磨くとか、ドリブルだけを磨くとか局面だけの練習にとどまらず、総合的にトレーニングを積む必要があります。

中学生はポストゴールデンエイジと呼ばれる世代です。発育発達過程なので無理なトレーニングを避けなければなりません。怪我をしたら元も子もないですからね。

三浦が重要だと感じる能力は、フィジカル面では、心肺機能、走力です。これがなければ、グループ戦術も体で理解できませんし、そもそも試合になりません。

ボールを使っても走力トレーニングは可能です。心肺機能を高めるにはインターバルトレーニングが適しているので、ボールを使った激しいトレーニングをインターバル形式で繰り返すことも必要でしょう。

単にダッシュやスプリントを繰り返すだけでは時間がもったいないと感じています。

そして、中学時代に身につけるテクニックのレベルは、細かいことを抜きにすれば「周りを見ることが出来る、顔を上げることが出来る技術」と言えます。

ボールを見る時間を減らしてもボールが扱えることが必要ですし、判断力も養われます。

ボールを扱う技術は、顔を上げることを前提にトレーニングしたいです。

ポジションの考え方

小中学生時代に、フォワードでも高校になってディフェンスになることもあれば、センターバックでもフォワードになることもあります。

中学時代の発育発達で身体能力が大きく変わってきます。小学生時代に、体格が大きくてスピードがある選手も中学生になると周りの選手も大きくなって来てスピードがついてくると「差」がなくなり、通用しなくなってきます。

体格、体力だけに頼ったサッカーをしているとそこで壁にぶつかります。そういう選手を多く見てきました。

どんなポジションもこなせることは理想ですが、三浦は小学生のうちにいろいろなポジションを経験させるように工夫しています。

中学生になって、センターバックやったことないとか、フォワードやったことがないという理由でチャンスを失うことがないようにしたいですね。

特に注目したいスキル

具体的に中学生時代にはどんなプレーを伸ばしていくことが大事なのでしょうか。

ボールタッチ(ドリブル、トラップ)

ボールフィーリング、特にドリブルのスキルは、キープのドリブル、スペースを運ぶドリブル突破のドリブルを分けて練習することが必要です。体が大きい、小さい関係なく、ボールタッチを磨くことは何よりも優先されます。

そしてボールを止めることがしっかり出来ること。ボールが止まらないとサッカーになりません。

キック(パス、シュート、クリアー)

パスは、つなぐためのダイレクトパスの正確さ、ロングフィード出来るキック力が求められます。

なによりも、ボールの質を蹴り分けることが必要です。

味方が走るスピードに合わせるパスから、サイドチェンジのスピードとコントロールが効いたパス、そしてピンチを脱出するためのクリアーのキックなど、ボディバランスを崩さず正確にキック出来ることが必要です。

まとめ

小学6年生の後半には、中学サッカーを意識して小学生のうちに出来ることに取り組んでおくことが大事です。

チャレンジアンドカバーとかワンツーパスとか、サッカーの試合での必要最低限の基本を身に着けておくことで、判断力の下地が出来てくると考えています。

子供たちは小さな大人ではなく、発育発達中のサッカー選手として扱うことも大事なことです。

高校サッカーまでのロードマップは長いようで短く、密度が高いものです。だからこそ焦らないことが大事だと考えています。

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