☆ブラジルから考えるボールの持ち方の変化

スキルアップ 檜垣裕志 講師

★サッカースクールの弊害

近年ブラジルではサッカースクールが増えてきて、ストリートサッカーが減ってきた。

ブラジルのサッカースクールは、元プロサッカー選手が指導していて、日本のように誰でもコーチをしているようなことはない。

しかし、日本でもそうだけど、元プロだからと正しい指導ができるわけじゃない。

それは、一人一人を見極めて上手くなるためのプロセスを的確に指導できるかということ。

練習メニューやメソッドは、世界中どこも大差ない。ほとんど変わりはない。

わかりやすいメニューで言えば、世界中、両足トレーニングメニューがある。

問題は、そこに個々がボールを持てるようになるための指導が皆無ということ。

★プロになるような人

プロになるような人間は、そもそも意識や感覚が高い。

例えば、ボールを奪われたくないという思いも誰よりも強い。

そういう意識があれば、どんな練習メニューであっても、ボールを持てることにつながりやすい。

しかし、そういう意識がない者にとってのそれらのメニューは、一人一人に効果的かは全く別であり、むしろ、マイナスになることがたくさんある。

なぜなら、その意識がない者にとっての両足メニューは、身体は開き、あきらかにボールの持ち方は悪くなるから。

例えば、ブラジル人でプロになるような意識がある者は、必ず利き足でボールを持ち、利き足にボールを置き、ボールの持ち方も良い。

そのベースがある中で、両足メニューは、あまりマイナスにはならない。

しかし、ボールを持てる力がない者にとっては、両足メニューはマイナスでしかない。

ブラジルのサッカースクールの指導メニューは、日本のサッカースクールの指導メニューとほとんど変わりはない。

そこに問題があることを知る必要がある。

★ブラジル人がプロになるには

ブラジル人でプロになる者は、ほとんどがサッカースクールなどには行かずに、すぐにプロクラブにスカウトされるけど、中にはサッカースクールからサッカーを始めてプロになる者もいる。

サッカースクールでの指導メニューは、世界中共通の両足メニューがあり、そこには、一人一人を見極めた中でのボールの持ち方の指導は全くない。

そのため、プロになる者は本人の能力だけでプロになるのであって、指導メニューの悪い部分だけが本人の悪い癖となっている。

悪い癖があっても、プロになる能力があれば、それでいいのだから。

★悪い癖の浸透

悪癖は、着実に浸透している。

サッカースクールだけでなく、早い年代でヨーロッパに移籍することもそう。

ブラジルは、個々が感覚的にサッカーをやり、それが彼らの良さだったのが、メニューやシステムによって、彼らのボールの持ち方の良さは、確実に損なわれている。

ブラジルにはサッカーの指導書、技術書がない。

それは、一人一人がサッカーを知っていて、それぞれの感覚でサッカーをやり、自身のサッカースタイルを築いていくから。

しかし、指導する場が増えていけば、嫌でも型にはめられる。

日本のように、サッカーを知らない人たちには、型にはめたやり方も必要だけど、ブラジルにはそれは全く必要ない。

もともと個々のサッカー感覚が素晴らしいのに、ただそれを伸ばす、長所だけを伸ばしていけばよかったものが、昨今の情報量の多さにより、いらない要素もどんどん取り入れてしまっている。

感覚の良い者は、良いものだけではなく、悪いものも取り入れてしまうから。それだけキャパが大きいからね。

そういうこともわからずに、あれもこれもやれば、本当に良いものは悪いものに食われてしまう。

ブラジルサッカー選手のボールの持ち方が変わり、ボールを持てなくなったブラジル人は、ただの器用貧乏になってきている。

★ボールの持ち方については正しく考える必要がある

良いボールの持ち方というのは確実にある。

競技スポーツでは、フィジカル要素は必要で、ある意味、その強さによって、ボールの持ち方が悪くてもなんとかなったりはする。

しかし、ボールの持ち方の良さは、あきらかにボールを持てるというアドバンテージになるため、その見極め、正しいボールの持ち方は絶対に必要。

「利き足にボールを置く、利き足でボールを持つ、利き足側にボールを運べる」

その重要性を正しく理解出来れば、確実にレベルアップに繋がるのだから。

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