☆ワールドカップからサッカーを学び、サッカーが上手くなるために⑥

スキルアップ 檜垣裕志 講師

ブラジルは本当に強かったのか?

ブラジルの試合を見て、セルビア、スイス、韓国戦の前半…良かったように見えたのはそれぐらい。

それ以外は…歯車が噛み合わない感じがした。

カメルーンの試合、前半最初に見た感じで良くないと思った。クロアチア戦の前半最初の雰囲気も…

僕自身、ブラジルで10年プレーをし、ブラジルサッカーを見続けてきたからこそ、何かを感じて見ていた。

ブラジルは本当に世界ランキング1位で、優勝候補だったのか…相応の試合だったのか…

勝負の世界だから

クロアチアは枠内シュート一本だけで、それが決定的なゴールとなった。

それだけを見れば、ブラジルの強固なディフェンスの素晴らしさを感じる。

実際にはそのディフェンス力こそ、優勝するには不可欠な要素なのだけど、ブラジルが本当に強いときには、カメルーン、韓国、クロアチアの失点シーンのようなミスはない。

あのような結果は切り取りだけでは分析できず、試合の流れによって作られるものだから。

勝負とは、部分的に分けて見たときのディフェンスの仕方やオフェンスの仕方だけではないということ。

試合の流れの中にこそ、本当に強いチームなのかが証明される。

勝負とは、そういうものだろう。

要するに、すべてはつながっているということ。

その中で、ブラジル選手個々は、ボールを持てる力を発揮できていたのかどうか…

いや、本当にボールを持てるブラジル選手のスタイルだったのか。

ブラジル人は上手いのか?

ブラジル選手個々については異論がないくらい彼らはサッカーに長けている。

どんな国、どんなスタイルにも、そこに合わせられるサッカー感覚、技術がある。

しかし、今までのブラジルと比較して今のブラジルを見たとき、個々のボールの持ち方には、非常に強い違和感を抱く。

本当に良い選手ほど、利き足で勝負できる。

これは、世界中を見ても、歴史を見ても間違いはない。

その意味は、日本人の考えているような利き足論、両足論とは全く違う別次元の話であって、世界のトップでボールを持てるという技術について、「利き足のポイント」は紛れもない事実だから。

ボールを持てるブラジルではなくなった

以前は、ブラジルと言えば攻撃と言われるくらいに、攻撃のバリエーションは素晴らしかった。

しかし、20年間優勝から遠ざかっているブラジルは、何かが違う。

そう、ボールを持てるブラジルではなくなっているということ。

ブラジル選手のクオリティーは世界No.1だろう。

世界中でプレーしている外国人の中でブラジル選手が一番多いというのは一つの基準には違いない。

しかし、対国の代表という中では、個々は本当にボールを持てるクオリティーを発揮出来ていたのだろうか?

国を背負いセレソンとしてプレーするとき、各選手は監督の求めるサッカーをする必要がある。

それが出来ない場合には、セレソンから外されるだけだから。

そこで選手は、監督の戦術に見合うサッカーをする。

今大会のブラジルはそうであった。
いや、今までもそうであった。

しかし、そこには非常に違和感を抱く「個」があった。

今までの個々がボールを持てるブラジルサッカーから、ヨーロッパ的な決め事ありきのサッカーをやるブラジル選手たちにしか見えなかった。

だから、ゴールの雰囲気が全くしなかった。

さらには、ボールを持てなかった。

ボールの持ち方を見ればわかる

ボールを持てているのか、ボールを持ててないのかは、ボールの持ち方を見ればわかる。

クロアチア戦のネイマールは、利き足にボールを運べた良いシーンは、あのゴールのときだけ。

左サイドでボールを受けても、全く中(利き足側)にボールを運ぶことが出来ずに、苦し紛れに逆足側に行くシーンばかり。

他のブラジル選手たちもすべてそう。

要するに、効果的なボールの持ち方がなかった。

今回のブラジル代表選手がすべてがそうだった。

戦術的なサッカーをやっていただけで、個々がボールを持てて、独創的なサッカーをやるブラジルではなかった

ボールを持てる重要性

チームでのボール保持率と個々がボールを持てることは違う。

個々のボールの持ち方により試合の流れを変えることが出来るのだから。

クロアチアのモドリッチは、日本戦と別人だった。

モドリッチをフリーにさせすぎたブラジルの戦術的ミスはあったけど、モドリッチのボールを持てる感覚と技術は、別ものであり、彼のワンタッチワンタッチがチームのリズムを作る土台であった。

だから、枠内シュートはなくても、クロアチアに脅威を感じていた。

アントニーのプレースタイルは、ブラジルにとっては普通

ブラジル人にとって、ボールを持てることは当たり前であり、ボールを持てないような選手はグランドには立てない。

それが、ブラジルサッカーのすべてと言ってもいい。

しかし、ブラジル代表にも、今のブラジルサッカーにも、失われてきている。

ボールを失ってはいけないと強い気持ちがあっても、それに伴う正しい技術がなくなりつつある。

アントニーのボールの持ち方はよかったけど、あれはブラジルなら普通のこと。

同じ左利きならデニウソンは、はるかに上を行っていた。

時代が違う、サッカーが違うと言っても、個々がボールを持てることの正しい感覚、正しい技術に違いはない。

なぜなら、それこそが正しい基礎基本なのだから。

僕は、ブラジルサッカーは好きだけど、ボールを持てる強いブラジルサッカーが好きなだけ。

僕の言いたいことは、ブラジルが優勝したときの個々のサッカーと比較すれば、よくわかるはず。

クロアチアからなんとか一点取って、ただ守るようなサッカーはブラジルじゃない。

あの後に、最低でもボールを持てて取られないでプレー出来る技術があるのがブラジルサッカーだったから。

だからこそ、ボールの置き場所、ボールの持ち方という個々の技術を正しく見ることが出来たら、真実が何かわかるだろう。

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