少年サッカーの試合「選手どうしの距離」について(守備編)
三浦です。
サッカーの試合における「距離感」は守備でも大切な考え方です。
ボールがあるところ、ボールを持つ相手に結集することが守備ではありません。
相手チームの選手がしっかりボールを持っていて、パスも出せるドリブルもできるという状況では、パスをどこに出すのか、どこにドリブルで入っていくのかを察知することが大事です。
フィールドプレイヤーの7人に対して、7人で守備をするのでそれぞれの役割分担と選手どうしの距離感が守備を成功させるコツです。
守備の成功とはボールを奪うことではなく、ボールを奪って攻撃に転じることです。
守備の場面での距離感(横)
攻撃における距離感と逆の発想で考えてみましょう。
相手チームは幅を使って攻撃してくるので、守備側としてはボールがある場所だけの守備になってはいけません。
中央からの攻撃に対しては中央にいる選手が対応するのですが、サイドハーフやサイドバックの選手がポジションを捨てて中央に寄ってしまうとサイドにスペースが出来てしまいます。
中央突破にはセンターハーフやセンターバックが対応しますが、サイドの選手はカバーができるように中央に近い位置に移動することが必要です。
サッカーの試合では「絞る」(しぼる)という言葉をよく使いますが、相手チームがボールを持ってゴールに近づいて来たら、選手どうしの距離を狭めてパスを通させないようにする必要があります。
選手どうしが、門(もん)を作らないようにすることが大事と言われますが、平行に並んでいたら例え1mでも門です。
サッカーのパスで相手ゴールに最も近づく方法は「縦パス」です。コート中央で縦パスを出させてはいけない。これが前提です。
横方向の距離を狭めると同時に、前後の関係を作ることが大事です。
相手チームの選手の横方向が狭く、しかも前後に位置しているがその距離も狭い場合は、その2人の間にパスを通すことがとても難しくなります。
守備のポジショニングで、相手チームの攻撃に対して攻撃しにくい状況を作ることができます。
2人で守備をすることの重要性
相手チームの攻撃を止めるため、ひとりはファーストディフェンダーになり、もうひとりはセカンドディフェンダーになります。
セカンドディフェンダーはカバーリングできる位置に移動します。
あまり離れていると、カバーリングできないので、味方が抜かれた瞬間にボールに触ることができる位置が理想です。
離れていても、瞬発力のある選手はやや遠いポジションになるでしょう。スピードや瞬発力に自信がなければ、やや近目のポジションになります。正解はありません、守備が成功することが正解です。
ポジションをずらして守る
守備の距離感において大切なことがもうひとつあります。
それは、横方向にズレて連携をとるこです。
サイド攻撃に対して、サイドハーフが対応する場合、サイドハーフのカバーはセンターハーフかサイドバックになります。
センターハーフがサイドに移動したら、逆サイドのサイドハーフはセンターハーフがいた中央に移動しなければなりません。これがズレるという意味です。
サイド攻撃に対して、サイドバックが対応した場合も、サイドバックのカバーのためにセンターバックが移動することになります。
センターバックがいたポジションを埋めるのは、この場合はセンターハーフです。このセンターハーフをカバーするのが逆サイドのサイドバックになります。
味方どうしがカバーできる距離を保ちながら瞬間的にズレること。
試合経験の浅い選手には難しい動きですが、基本的には味方が奪いに行っていたら自分はカバーに行くこと、誰もいない場合は自分がファーストディフェンダーとして相手に対応することです。
味方をカバーするとはどういうことか、自分が味方のカバーで助かるという経験を積むことで、ポジショニングがよくなってきます。
もちろんお互いの声がけも大事ですね。
守備の場面での距離感(縦)
守備の場面の距離感の縦方向の考え方については、ハイプレスによる守備を前提に考えてみましょう。
少年サッカーでもハイプレスはとても有効です。ハイプレスとは、フォワードや中盤が相手ボールに対して積極的にプレスをかけることです。
相手エンド(相手陣内)でフォワードがプレスをかけることで、相手の自由を奪います。プレスをかけることで、相手チームはパスを出します。
パスを出させてカットすることが前線のプレスの目的です。つまり、2番手の選手がパスをカット、ボールを奪うという役割を持っています。
前線のフォワードや中盤の選手がハイプレスをかけているのに、中盤より後ろの選手が距離を空けていると、相手チームのパスの受け手に対する守備ができません。
サイドバックも前線に合わせて押し上げる必要があります。ここでの押し上げはオフサイドラインを作る目的ではなく、パスをカットする、ボールを奪うための押し上げなので相手選手の位置を見て相手陣内に入って行きます。
まとめ
攻撃も守備も選手どうしの距離感で大切なことは、2人、3人だけの連携でなくゴールキーパーも含めた8人の距離が連携することです。
バックラインが教えあげようとするのに前線が引いてしまっては、薄っぺらい守備になってしまいます。
前線が元気よくプレスをかけて相手のパスを引き出し、中盤でボールを奪うショートカウンターが小学生のサッカースタイルでは人気です。
技術がまだ未熟な小学生の場合は、前線からのプレスによってパスミスやトラップミスが生まれやすいからです。
選手どうしの距離が近ければそのボールを奪うことができます。
ボールばかり見ないこと、味方、相手の動きを見ることを意識することでサッカーの試合での動きが変わってきます。ぜひ実践してください。
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