「少年サッカー」フォーメーションを理解して上達しよう
少年サッカーが8人制になったのは2011年のこと。まだ11年目なんですね。
8人制サッカーしか知らないよーという指導者も多いでしょう。
8人制サッカーならではのフォーメーションと何を意識してプレーすれば上達するのか。
11人制と8人制のコートやボールの比較
三浦が指導者としてスタートした20年前は少年サッカーは11人制でした。
コートサイズも今の8人制より大きく、縦が75m以上、横も55m以上ありました。
学校のグラウンドで試合が行われることが多かったのでグラウンドの大きさに合わせていました。
交代ゾーンはなくて、自由な交代もありません。1チーム15人程度はいないと試合ができませんでした。
小学生のサッカーは、大人のサッカーをコートとボールだけ小さくしただけでした。
ボールは4号球で、これは現在の8人制のボールサイズと一緒です。
11人制から3人引いて8人制になった
大人のサッカーのシステムが11人制を前提として4バックやら3バックやら組み立てられているのに対して、少年サッカーでは8人制が前提です。
2011年当時の日本代表はザックジャパンでした。長谷部誠と遠藤保仁のコンビでボランチのポジションが人気になったものです。
11人制から8人制にシフトしたばかりの頃は、11人制の縦のフォーメーションから1人ずつ引いて考えるといい、と言われていました。
4-4-2というシステムなら、3-3-1になるというわけですね。
ただし、4-2-3-1という4列のシステムの場合はトップがゼロになってしまうので、3-1-2-1と、ワントップだけは残していました。
実際は3-3-1の変形なのですが、ダイヤモンド型の陣形を選手たちに理解させようとしてこのような数字の並べ方が考えられたと思います。
子供は小さな大人ではない、子供には子供のサッカーがある。育成年代に大人のサッカーを押し付けないようにしよう。そんな考え方も生まれました。
8人制のサッカーは、11人制サッカーで成長するための土台という考え方なのですが、どういうプレーをすればいいのでしょうか。
3-3-1でどんなサッカーをするのか
少年サッカーでは3-3-1がオーソドックスですね。2-4-1や2-3-2もあります。どのフォーメーションも、縦に3列、横に3列です。
この陣形で戦うコートの大きさですが、少年サッカーのコートは幅が50mで、縦が68mです。
どうでしょうか、コートを目一杯使ってゲームをしていますか?
ゴールからゴールの往復になっていませんか?
幅が50mもあるのにペナルティエリアの幅で試合をしていませんか?
少年サッカーでコートの幅を使えるようになると中学生のフルコートに早く慣れることができます。
どうすれば幅を使えるようになるのでしょうか。
バックラインから幅を使う意識を持つこと
3-3-1の場合はバックラインが3人いますので、サイドバックがタッチライン沿いを駆け上がる場面はサッカーの醍醐味とも言えるシーンです。
右サイドや左サイドを使い分けて試合をしているチームを見ると、幅を使っているなーと思います。
でも、時々、3バックのひとりが退屈そうにしている場面をみかけます。
そんな時は2バックにしてサイドは攻撃に参加しましょう。2-4-1に形になります。
もし、上がっているサイドから攻撃されたらセンターバックがずれて対応します。
ゴール前は絶対に空けられないので逆サイドや中盤が対応します。
これができると簡単に失点しないチームになるのですが、コツは味方のポジションを見る癖をつけることです。
近くの味方、遠くの味方というボヤッとした考え方でなく、カバー出来る位置にいる味方、パスを出せる位置にいる味方というような具体的な考え方が必要です。
20m先に味方が2人いれば、近い味方と遠い味方のどちらにもパスが出せます。相手チームもどこにパスを出すのか予測できないプレーができます。
幅と高さと厚みという考え方
11人制サッカーも8人制サッカーでも同じ考え方なのですが、コートの使い方、攻撃のセオリーとして、幅、高さ、厚みという考え方で試合を進めることが基本です。
幅を目一杯使って試合をしようというと、タッチラインからタッチラインまで無理に使うイメージがありますが、そうではありません。
選手間の距離は適度な距離感でコートを使うイメージです。広がりっぱなしではありません。
3バック、3ハーフのサイドの選手がタッチラインに張り付いていたら中央部分にはスペースができますが、スカスカになってしまいます。
少年サッカーで言う「幅」とは、ワンサイドに固まらないようにしようという考え方がわかりやすいですね。
左サイドにボールがある時、右サイドハーフが近づいていったらスペースを使った展開ができません。
ボールに触りたい気持ちが強すぎて、ついついサイドに固まってしまうのが少年サッカーの特徴です。
そんな時こそ「幅を使う」意識が必要です。
「高さ」とフォワードのポジショニングです。低すぎて、中盤の選手と同じラインにいると、相手ディフェンスラインの裏を狙えません。
相手ディフェンスラインを下げるためにもフォワードは高いポジショニングが必要です。
そして「厚み」です。
攻撃している時には、相手に奪われた時のことを考えて、相手が奪った時にもすぐに奪い返せるポジショニングの選手が必要です。
大切なことは、そのポジショニングの選手の後ろにGK以外の選手がもうひとりいることです。
出来ればセンターバック以外の選手が「厚み」を作るポジショニングに入って欲しいものです。
ボールに夢中になっているとなかなかこのようなポジショニングはできませんが、声をかけあうことで気づくことがあります。
サッカーの試合では「声を使ったコミュニケーション」が大きな武器になります。
システムを理解して、ポジショニングをよく見て、ミスしてもいいから自分の判断で声を出すこと。
ポジショニングも声がけも最初から成功する選手はいません。
動くこと、声を出すことから始まります。
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