少年サッカーで大切な見ることとは?見るべきものは5つある
三浦です。
サッカーでは「見る」ことが大事とよく言われますね。指導者は「周りをよく見ていい判断をしよう」という言葉をよく使います。
顔を上げよう!、首を振ろう!、よい体の向きを作ろう!という声がけも全ては「見る」ことが目的です。
いったい何を見ればいいのでしょうか。
ボールを見る
サッカーではボールを見ることは当たり前のように思われますが、実は見るべき時に見ていなかったり、見なくていい時に見てしまったりと見ることが難しいものです。
特に少年サッカーにおいては、ボールはとても魅力的なものなのでゲームの開始から終了までずっと見てしまうこともあるでしょう。
サッカーを始めたばかりの小学1年生は、自分とボールがサッカーの世界ですからボールをじっと見ることは当たり前です。
しかし、2年生、3年生とサッカー経験が増えてくるとボール以外にも見ておかないと困ることに気づきます。
この気づきが遅いか早いか、コーチングしてよいのか悪いのか、少年サッカーの指導で悩まされるところです。
小学5年生、6年生になるといかにボールを見ないかという事が大切になってきます。サッカーコート全体を見て何が起きているかを把握するためにはボールから目を離さないといけません。
また、自分にパスが出された瞬間にボールばかり見ていると奪いに来ている相手に気づかないことがあります。
コントロールの瞬間にボールを奪われて「しまった!」という場面を繰り返して、何が原因なのか自分でもわからないことでしょう。
指導者はこのような場面を見たらトレーニングで修正していく必要があります。選手もボールばかり見ていてはいけないことに気づく必要があります。
相手選手を見る
サッカーはボールを持っていると相手が奪いに来る仕組みになっています。
しかし、相手選手が目の前にあらわれて初めて気づくのか、相手選手が近づいて来るのがわかっていたのか。この違いは大きいです。
小学1年生はボールと自分の関係がサッカーの世界だと書きましたが、ゲームをしていくとボールと自分の関係に奪いに来る相手が現れることに気づきます。
小学2年生から3年生の時期になると、ボールを持って相手に仕掛けようとするようになります。相手を見て相手の逆を取ることを覚えるとサッカーの世界が広がります。
しかし4年生以降になると、ボールを持っていない時に相手を見ることが必要だということに気づきます。これも気づくことが早い選手と遅い選手がいます。
試合中にマークをしたり、マークされたりということで、ボールを持っていない時にも相手を見ておかないとパスを受けた時にインターセプトされることがあります。
相手より早くボールに寄るためには相手の位置や動きを見ておくことが大事です。
味方を見る
三浦のチームでは練習で行うミニゲームは4対4で行うことが多いです。4対4のミニゲームは実際の試合の1場面を切り抜いたようなシーンになることが多いので、とても効率的な練習方法と言えます。
この練習では攻撃では「サポート」守備では「カバーリング」を学んで欲しいと考えています。
壁パス(ワンツー)はサッカーの攻撃方法では基本中の基本ですが、ボールを持っている選手と持っていない選手どうしの連携がなければ成功しません。
試合中に、ボールを見て、相手を見ているだけでは不足です。味方をしっかり見て相手にも自分を見てもらう必要があります。
4対4のミニゲームを見ていて思うことは、相手を見ることは出来ていても味方を見ることは意識しないと出来ないものだということです。
ひとりの選手がボールをキープし続けるのではなく、出来るだけボールを動かしてサポートやカバーリングの場面を多く作るようコーチングしています。
ゴールを見る
ボール、相手、味方のこの3つは試合中に絶えず動き続けています。しかしゴールはゴールラインの中央に固定されたままです。
ゴールを見る必要があるのか?動かないのに。そう思う選手もいるかも知れません。あって当然のゴールだからそのような先入観や固定観念があるのでしょう。
自分がフォーワードだろうがセンターバックだろうが、ボールが相手ゴールに近づいた時、ボールが味方ゴールに近づいた時、自分のポジショニングはボールとゴールの位置関係で決まるということを理解している選手は少ないです。
ゴールを見る時には、ゴールをじっと見るのではなく、ボールと相手と味方との関係を確認するために見ます。
ゴールキーパーは自分が守るゴールを絶えず確認することで自分の立つ位置を修正しています。シュートを打たれた時にゴールを奪われないためです。
シュートを打とうする選手はここまでしっかりゴールを見ているでしょうか。シュートを打つ時にボールを見てからゴールを見て、蹴る瞬間にボールを見るという習慣はついているかも知れません。
ゴールを見た時にゴールキーパの位置、相手選手の動きを見てシュートコースを判断するというところまで見ているでしょうか。
サッカーの試合ではこのように意識してゴールを見ることが必要です。
スペースを見る
サッカーで見るべきものが、ボール、ゴール、相手、味方の4つまで思いつく選手は多いと思います。
しかし、この5番目のスペースを見ることにこそ、サッカーの試合を面白くする要素や勝敗に関わる要素があります。
スペースというものはゴールのように固定されたものではなく、選手の位置、ボールの位置により絶え間なく変化しています。
味方にパスをする時に、どうしても味方の足元ばかりにパスを出してしまう選手は、その選手の前にスペースがあるのかないのか判断できていない可能性があります。
パスを受ける選手も、相手ゴール、相手選手、味方のボールを見て、スペースに欲しいのか足元に欲しいのか判断する必要があります。
スペースへパスを出すというプレーはサッカーでは当たり前に行われていますが、パスを出す選手、スペースの近くにいる選手それぞれがスペースをしっかり見て把握していないとスペースへのパスは成功しません。
守備側のチームはこのスペースへのパスが成功するととても危険だという時にはスペースに入っていく必要があります。
スペースは意識的に作ることができますし、意識的に消すことができます。試合の流れで自然に出来るものもあります。スペースに気づくか気づかないか、ボールだけを見ていては気づきません。
スペースは一瞬で生まれ、一瞬で消えるものがあれば、選手には気づかれずにずっと存在するものがあります。
サッカーは時間とスペースを奪い合うスポーツだという表現がありますが、スペースをしっかり把握出来るようになるとその意味がわかって来て、いっそうサッカーの楽しみが広がります。
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