少年サッカーではフィジカルに頼りすぎないこと!中学生でグンと伸びるための指導法
三浦です。
今年度に入ってGW以降は毎週のようにU12リーグ戦が行われています。少しずつ日常が戻って来ているように感じます。
三浦のチームでは、U12リーグ戦に6年生と5年生を参加させています。他のチームも高学年の選手たちが参加しています。
高学年はこの時期になると身長が伸び始めます。三浦のチームはどちらかというと小粒揃いですが、他のチームを見ると身長の高い、体格のよい選手がチームに1,2人はいるようです。
三浦の経験から、小学生時代に身長が高く体格のよい選手がそのまま中学、高校と順調にプレーし続けるパターンとそうではないパターンがあるようです。
このような「フィジカルに恵まれた選手」が小学生時代にサッカーをするうえで注意しておきたいことについて解説します。
少年サッカーにおける身長差
試合会場で体格のよい選手を見かけると身長と体重を聞くことがあります。おおよそ身長が155センチを超えると「体格がいい」「高身長」の選手になります。
小学生の平均身長は男女ともに145センチ程度ですから、10センチ以上身長が高いということになります。
身長155センチは中学1~2年生の平均身長ですから、小学生と中学生が試合をしているようなものです。
発育発達の差がもたらすプレーの違い
小学4年生と5年生の試合ではそこまでの差はありませんが、小学6年生と中学1年生の差は大きいです。
この時期、小学生はグンと身長が伸びます。
身長とともに筋肉がつき始めて筋力が強くなります。
リーチ(足の長さ)が長くなり、筋力が強くなるので1対1の場面で負けなくなります。
積極的に1対1のプレーに挑むようになり、時には力でねじ伏せてボールを奪い取ることもあります。
奪いとったボールで、相手ゴールに迫る力強いドリブルやゴール前に長いクロスを入れるようになります。
キックもロングキックが蹴れるようになるので、自チームのゴール前から相手ゴール前に向かって長いボールを蹴りたがるようになります。
中盤を省略するプレーが見られるのもフィジカル依存プレーのひとつの特徴です。
早熟タイプがもたらす将来の不安
チームにとってこのような選手はエースとして頼もしい存在になります。
体格がよくなることはよいことづくめに見えますが、三浦はそうは考えていません。
このような選手は体格面での「早熟タイプ」と言えます。
体格とスキルがバランスよく成長していない場合があります。そんな時には近い将来のことを考えると心配になることもあります。
高い個人スキルを維持していればよいのですが、細かいボールタッチよりもスピードとリーチを生かしてボールを扱えるので、体格のよい選手は大味にプレーになってしまうことがあります。
その頃、身長が10センチ近く低い仲間たちはボールスキルをせっせと磨き、個人スキルで大きい選手に立ち向かおうとしています。
その仲間たちも1年、1年半もすると10センチ近い身長に近づき、並ぶようになります。
中学1年生、2年生がその時期です。
同じような体格ならスキルが高い選手の方が有利です。
早熟だったことで小学生時代はエースだったけれど、中学生になって身長の伸びが止まると体格面でのアドバンテージは消えてしまいます。
逆に、体格とフィジカルに頼ったプレーのツケが回ってきて、仲間に追い越されてしまうこともあります。
フィジカルに頼りすぎるとどうなるか
フィジカルに頼りすぎていることに気づかないのがこの選手たちの特徴です。
小学5年生、6年生で体格のよい選手に薬になるのは中学生の先輩たちとプレーすることです。
小学生どうしで通じるプレーが、自分と同じくらいの身長でも中学生を相手にすると通じないことを経験します。
中学生は成人用ピッチで成人用の5号球で練習しているのでスピードとパワーと持久力が違います。
三浦はそこで、体格のよい選手たちに向かって次のように言います。
恵まれた体格に頼ってプレーすることは悪いことではない。しかし頼りすぎてはいけない。
今は通用しても1年後、2年後に通用しなくなる。中学生とのゲームでもそれがわかったと思う。
丁寧にボールに触ること、細かいタッチや細かいステップワークのトレーニングを意識すること。
それを続けていけば、1年後、2年後にこまることにはならない。
1,2回このような話をしたところで選手たちにはピンと来ないものです。
なので、練習中や練習試合で、フィジカルに頼り過ぎたプレーを見た時に注意をするようにしています。
低学年にも見られるフィジカル過信のプレー
この体格差は小学生高学年だけに存在するのではなく、実は小学3年生や4年生にも存在します。
ボールを遠く、強く蹴ることが出来て、誰よりも速くボールに追いつくことが出来る選手はチームのエースとしてもてはやされます。
相手ゴール前に大きくボールを蹴って、味方にチャンスを作ること。味方から縦に大きなボールを蹴ってもらい、強引にキープしてシュートを打つこと。
チームはこのようなエースの存在で得点を上げることが出来ます。
しかし、この選手が5年生、6年生になって仲間とのフィジカルの差が無くなった時には、正確なプレーや正確な判断ができる選手にならないことがあります。
それを身につけるための時期にロングボールを蹴っていたのですからやむを得ません。これは指導者の問題です。
発育発達途上の小学生のサッカー指導にはこのような面でサポートすることが大事です。
小学生は小さな大人ではありません。発育発達の途上の子供です。
指導者も保護者も選手の将来を考えることが大事です。
サッカーは小学生で終わりではありません。
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