ボールを蹴る時の腕の使い方

鈴木陽二郎 講師

YJRです。

前回、前々回とお伝えしてきた

「力をより出したい!!ために、蹴る時に腕を大きく振る、回す、捻る(過剰に力が入り上手くいかない)」傾向が強いタイプは、プレーの変更(特にキャンセル)が(も!?)苦手な傾向が強いです。

これは、あるあるです!

それはなぜか?簡単です!

蹴る時に腕を大きく振る、回す、捻る行為が、「ボールを蹴る”だけ”の行為」であるからです!

「腕を使う」という発想(認識)が既に「ボールを蹴る”だけ”の行為」を作っています。

それは、そもそも「認識の中心がボール」になっているからです。

■何のために腕をつかっている?

「腕を大きく振る、回す、捻る」は何の為に行う行為なのでしょうか?

それは「ボールを蹴る為」ですよね? あたり前ですか??(笑)

けれど、「腕を大きく振る、回す、捻る」は、「蹴る為」以外にしているでしょうか??

例えば、ドリブルはどうでしょうか?しないですよね?

リフティングはどうですか?? 見た事ないような気がしますよね?

ヘディングやトラップもそのようにはしていないと思います。

それでは、フットボールのプレーを離れて考えてみます。

歩く時、走る時はどうですか?中にはいらっしゃるかもしれませんが、見た事はないような気がします。

という事は、「それらの行為は蹴る以外にやっていないじゃん!!」と言えますよね?

ですので、「腕を大きく振る、回す、捻る」行為は、「ボールを蹴る(為の)行為」なのではなく、実は、「ボールを蹴る”だけ”(為の)行為」であると言えるわけです。

そして、キック(プレー)が上手くいかない基準でもある「認識の中心がボール」にもセットされている状態でもあります。
「認識の中心がボール」であるからこそ、ボール(だけ)を何とかしようとする認識(思考、捉え方)であるから「ボールを蹴るだけの為」になってしまいます。

それは、キック(プレー)が上手く基準でもある「認識の中心が目的地」ではありません。

だって、目的地に向かっていくときには、腕を大きく振ったり、回したり、捻ったりしないからです。

■「だけ」になりがち。

プレーの変更が苦手な傾向が強いのは、上記のように、「ボールを蹴る”だけ”(為の)行為」をしているからです。(なっているからです)

蹴る”だけ”(為の)行為をしているわけですので、プレーの変更を含む蹴る以外の行為が出来ない(難しくなる)のは、何となく伝わるかなと思います。

このブログでも何度もお話ししていることですが、「人間は認識した形になる性質を持っている」ので、ボールを蹴る”だけ”の認識(発想)が強ければ、人間の性質としてボールを蹴る”だけ”の行動が自動的に作られるわけです。

「腕を使おう」とする認識(発想)が、「ボールを蹴る”だけ”(為の)行為」を作るというわけです。

このような認識(発想)になりやすい方は、「キックだから」など「○○だから」と分断、限定して考える傾向もまた強いです。

そしてこのような認識(発想)も、キック(プレー)が上手くいかない基準でもある「認識の中心がボール」にもセットされている状態でもあります。

ですので、このような認識(発想)で、技術トレーニングをしても、「だけ」や「○○だから」は改善されません。

そうなると、プレー変更はできないまま、限定的な条件でしか力が発揮できなくなってしまいます。

改善するには、認識の中心が目的地に変える事が必要になります。

■「使う」のでは、なく「使われる」

逆に考えてみましょう。

「だけ」にならない腕の動きとはなんでしょうか?

色々な動きに共通していくこと。他の動きと別にならないこと。動きやすいこと。

色々と考えて、そのベースがリラックスして腕を落とす「だらり」と定義付けています。

要するに、「腕を使わない」「腕を使おうと思わない」です。

リラックスしてだらりとしておけば、そこからどうにでも「動きの変化にあう」状態になるわけです。

歩く時が1番わかりやすいですね。

基本的には、「腕をどうしよう。」とは考えないでだらりとしています。

けど、動いていますよね

皆さん、いいプレーをした時も、「腕をどうしよう」など考えないですよね。

それが面白いところなんです。

じゃあ、腕はどうなっているのか?

「勝手に使われている」状態になっています。

「周りから腕を使ってるように見えても、本人には腕を使っている感覚がない」

上手くいっている方や上手くいった時はこのような感じが多いようです。

といっても、「腕を使う意識が強い方」は、いきなりの腕を落としてのリラックスしてのだらりは難しいとは思います。

なので、まずは「意図的に使わない」をしてみてください。

腕を意図的に使っている方は簡単ですよね。

なぜなら、意図的に使わないということは、意図的に使うのと同じ事ですから!

■上手くいかない認識をしているから、上手くいかない動作が作られる。

ものすごく厄介なのは、腕を使う行為が「ボールを蹴る”だけ”(為の)行為」をしている認識がない事が多い事です。

客観的に見て、そうなっているのにも関わらず、「自分は大丈夫!」と思ったら、永遠に改善されません。

ですので、「騙された」と思って(笑)、ご自身の発想、思考、認識を満遍なく考えてみてください。

キックが上手くいっていない選手の親御さんやコーチの方であるならば、選手の発想、思考、認識を聞き出してあげてください。

認識が動き(技術)を作ります。なぜなら人間は認識した形になる性質をもっているからです。

ですので、上手くいかない動きを作っているのは、上手くいかない認識をしているからです。

それらを無視して、技術トレーニングは、「だけ」に拍車をかけると考えています。

フットボールは全て繋がっています。

「だけ」はほぼほぼありませんよね。

この機会に、色々と考えるきっかけになってくれたらうれしいです。

次回は、「腕を使うのって一般的だけど、なんでYJRさんは使ったらダメ!って言うの?」です(笑)

お楽しみ! (変更したらごめんなさい笑)

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この記事を書いた人鈴木 陽二郎鈴木 陽二郎
(株)エフネットスポーツ
FFCカレッジフットサルリーグ担当
新しい概念を吹き込んで上達に導く“フットボールコンセプター”
今まで、小学生から社会人まで男女を問わずフットボールを教えてきた。また、その理論や新しい概念(コンセプト)を提案して上達させるアプローチはプロにも評価されおり、現役Jリーガーからのサポート依頼は絶えることがない。育成においては、2014年よりキックの上達に特化した「蹴り方教室」主宰し、社会人をはじめ、小学生から大学生チームを指導して、数時間で「ボールの球筋が格段に変化する」「メニューをこなしていくと、自然に考える力と技術が身につく」など、すぐに圧倒的な結果が出る事例多数。また、「概念を変えることでプレーが上手くなる」という上達アプローチは、多くの指導者に影響を与え、日本代表の長友佑都選手の専属コーチである鬼木祐輔コーチなど、多くの優秀な指導者から絶大な支持を受けている。
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