新生日本代表を象徴する2ゴール!
昨夜の代表戦は、皆さんもご覧になったかとおもいますが引き分けとは言え、ワールドカップのもやもやを吹き飛ばしてくれたのではないでしょうか。
武藤と柴崎のゴールは、新生日本代表を象徴する2ゴールでした。
私はテレビ観戦でしたが、武藤のゴールを見て一瞬、目を疑いそしてガッツポーズ!
本田が後でコメントしていましたが、たしかに今までになかったタイプのゴールですし、武藤という選手の能力も評価していました。
柴崎のゴールも、長い距離を走りながら難しいシュートをサクッと決めるところが実に渋いゴールでした。
ゴールシーンだけを見ると、アギーレジャパンの攻撃の形が見えて来たと言えますが、格上のベネズエラ相手にあの2ゴールを決めることができた理由は、はたして武藤と柴崎の能力だけでしょうか。
武藤のゴールは中央突破のように見えますが、本田が右に開いていてベネズエラデフェンスが一瞬開いてしまいました。
そこをすかさずシュートをした武藤の選択肢も素晴らしいのですが開いた本田の存在感にベネズエラデフェンスも引きずられたのは確かです。
このように、3トップのような布陣は、サイド攻撃重視のように見えますが、サイドに位置することで、中央が空くということがよくわかります。
その逆が柴崎のゴールでしょう。
サイドからのボールに対して、がら空きのスペースに走りこむことで逆サイドからのシュートが有効になるという典型です。
これらの攻撃はいずれも、アタッキングサードという相手ゴールに近いエリアで上手くいった例です。
フィニッシュについては手応えのあったアギーレジャパンですが2ゴールを失った原因については反省も必要です。
川島のファンブルを責めることはできません。
しかし、ミドルシュートを数多く打たれた、打たせたことは事実です。
ベネズエラボールになった瞬間に、ここからシュートはないだろうという甘い判断がミドルシュートを許しました。
1度ならず数本のミドルが打たれましたが、中盤でのプレッシャーが課題です。
攻撃で中盤が押し上げていて、ボールを奪われた時の切り替えの早さと切り替え後のプレーです。
小・中学生を指導している私も、中盤の切り替えの大切さを伝えていますが、ボールを追うこと、相手選手の背後を追うことだけではボールを奪えません。
背後からのプレッシャーとバックが正面からプレスをかけることでボールを奪うことができます。
また、中盤の選手は攻撃時にボールを奪われた時のことを考えてポジションをとる必要があります。
昨夜の日本代表でいえば、役割として森重がそのポジションをとっていました。
これまでの日本代表でも、遠藤や長谷部がその役割をとっていました。
ここで味方がボールを失って、あの選手に渡ったらとても追い切れない。
前に出てサポートに行くか、我慢して奪い返せるポジションをとるか。
これは選手の判断です。
ベンチから指示することもできますが、それは選手の判断を奪うことになるので、判断力を身につけることはできません。
昨夜の試合でもうひとつ評価したいのは、長友のデフェンスです。
ウルグアイ戦でもそうでしたが、自信をもってプレーする長友のプレーの質はとても素晴らしいです。
その長友が懸命に走り、走り続けていました。
その走りは、サイドからの攻撃参加だけではありません。
実はバックからフォワードに向けての長い縦パスがベネズエラに奪われてしまい、そのボールを奪い返すために走ったのです。
攻撃に3人もいると、バックからロングボールを配球して攻撃しようという気持ちはわかりますが、ベネズエラに対してはほとんど成功していませんでした。
ベネズエラデフェンスのヘディングではね返され、そこから攻撃されてしまいました。
ビルドアップという言葉がありますが、バックからミッドへ、ミッドからフォワードへ確実につないでいくという攻撃方法です。
ザックジャパンでは、ボールポゼッションということでショートパス主体にビルドアップすることが特徴でした。
しかも遠藤という起点がいたからこそ、ビルドアップがなりたっていたという背景もあります。
アギーレのサッカーでは、攻撃はカウンター狙いなので武藤や柴崎のようなゴールパターンが生まれることもあるでしょう。
カウンターでは長く速いボールで攻撃することは大切なことです。
しかし、後半のようにベネズエラの運動量が落ちて引いて戦うようになった時にも、バックからフォワードへボールを放り込むという戦術をとると、相手が待ち構えているところにボールを放り込むことになります。
2得点の裏には豊富な運動量、中盤、バックラインの走りがありましたが2失点を生んだ原因は守備での走り、判断がまだまだ足りないとも言えます。
走れなければサッカーではないというアギーレ監督の言葉どおりに、確かに躍動感のある走れるチームになりました。
ウルグアイ戦と違い、見ていてワクワク感もあります。選手たちもきっと手応えを感じながらプレーしていることでしょう。
武藤や柴崎のゴールシーンだけがアギーレジャパンではなく、ボールを持っていない他の選手の動きがあってこそのゴールであること、ボールを持っていない時のプレー、特に守備での走りで失点を最小限に出来ること。
育成年代では、走りの質、量と判断に力を入れて指導したいと思いました。
これからも、アギーレジャパンと若い選手たちを応援して行きましょう。
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