中村憲剛選手のコメントを読んで

講師

ブラジルワールドカップの選考結果をめぐり、大久保選手と中村憲剛選手がテレビやネットで注目されています。
 
川崎フロンターレの名コンビとも言える2人ですが代表チームに必要な選手はフォワードだったという結果でしょうか。
 
絶妙なパスでフロンターレ躍進の原動力となっている中村憲剛選手ですがオフィシャルサイトではやはりサッカーが楽しい」というコメントが見られて、根っからのサッカー少年なのだなと思いました。
 
オフィシャルサイトの引用ですが「今日、ACLの公式練習でボールを蹴ったら、その瞬間は落選したことを忘れていました。ああ、サッカーって楽しいなって。サッカーって凄いなって。
 
だから、ボールがあれば、サッカーがあれば俺は前を向いていけると思っています。
 
今まで辿ってきた道は間違っていなかったと思うし、今までやってきたことに悔いは一切ないので。」
 
サイトを見てほろっと来たファンや、自分の今のサッカー人生に重ねあわせて勇気をもらったファンもいることでしょう。
 
高校サッカーでなかなかスタメンになれないという私のチームのOBが中村憲剛選手のコメントを読んで、自分はなんて小さなことにクヨクヨしているんだろう、もっと心を強く持たないとサッカーを楽しめない。
 
そう感じたというメールをくれました。
 
頑張れ!中村憲剛選手!
 
さて、現在、頑張っているのは何と言ってもなでしこジャパンですね。
 
来年の女子ワールドカップ・カナダ大会の予選を兼ねている女子アジア杯ですがベトナム、ヨルダンに大差で勝ち1次リーグA組首位で準決勝進出&ワールドカップ出場を決めました。
 
なでしこジャパンは、男子を上回る7大会連続7回目のW杯出場になります。
 
大会優勝を狙うなでしこジャパンですが、準決勝から大儀見選手がチームから離れます。

そんな中、ヨルダン戦では若手が大活躍しました。

7得点という結果を出した背景には、大儀見選手が不在でもなでしこジャパンの得点力は落ちないという若手の意気込みが感じられました。

猶本選手を基点にして吉良選手が1点目を取ると、中島選手、阪口選手と立て続けにゴール。オウンゴールも含めて7点!

縦パス、クサビパスを落としてこぼれ球をシュート。

また、クロスボールをヘディングで競り合い、叩き込むゴール。

実に多彩な得点パターンでした。

どうしても得点を上げたいというゲームでは、縦パスが多くなり中央突破というパターンになりがちですが、この日の若手中心のなでしこジャパンの攻撃は、実に多彩だったと思います。

私のチームでもいわゆる「得点パターン」というものはあります。

選手の持ち味を生かしてワン・ツーやサイドからのクロスなどいわゆる「型」というものです。

なでしこジャパンの場合は、「型」というよりもコンビネーションが実に素晴らしいと感じます。

味方のプレーをよく見ているし、シュートの3本ぐらい前のパスですでにトップの選手が動き出している様子を何度か見ました。

猶本選手もポジションを上げたり下げたりしながら、攻撃の基点となって、アシストのお膳立てをしているように見えます。

個人技術では、川澄選手がトップとサイドの両方をこなす必要があるのですが、味方から受けたボールをワントラップで相手の裏に運ぶ技術が見ものです。

川澄選手自身も「ワントラップが勝負」というように、ゴール前ではワンタッチプレーで相手の意表をつく個人技術がものを言います。

グループ戦術・個人技術ともに得点パターンを多く持つということは私たち指導者にとっても課題です。

ジュニア・ジュニアユースの大会では、地区予選がありますが地区のチームはお互いに手の内がわかっているものです。

あの選手はサイドを使うとか、あの選手は必ず切り返しを入れるとか得意技を知っていることもあるでしょう。

攻撃の場面では、得意なプレーを封じこめられるとなかなか先制点が取れません。

そんな時に決め手となるのが選手たちの「イマジネーション」です。

ひらめきというのでしょうか、いつもの攻撃パターンをひとひねりして相手の予測の裏をかくというものです。

川澄選手の「ワントラップでかわす」というプレーもひとつのイマジネーションといえるでしょうね。

いつもポストプレーをするフォワードの選手が、ボールをもらった瞬間にクルッとターンしてゴールを向いて振り向きざまにシュートするなど、積極性のあるイマジネーションプレーを見るとベンチにいる私たちは「やるなあ」と顔をほころんでしまいます。

型を身につけることと、そして型を破ること。

さらに、イマジネーションあふれるプレーがサッカーの楽しさです。

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