なぜ、5人ものデフェンダーに囲まれながらドリブル出来たのか?
今日5日は、日本代表対ニュージーランド戦ですね。
国立競技場最後の代表戦ということで意味のあるゲームです。
ワールドカップ本番まで100日を切りました。
代表選手選考も本格化です。
そんな状況でJリーグ開幕戦が行われました。
代表入りをアピールする選手が続出です。
開幕戦の中で、私が「これ!」と思った選手と言えば、横浜FMの齋藤学です。
スタンドではザッケローニ監督が視察していました。
大宮とのゲーム、17分に見せたドリブルが素晴らしいものでした。
横浜に移籍した藤本淳吾のゴールを生む決定的なチャンスを作りました。
齋藤は左サイドでボールを持つと、中央へカットイン。
スピードアップしながら、デフェンダーの間を抜けます。
大宮デフェンダーは翻弄され、細かいステップの齋藤のドリブルを止められません。
最後はスライディングでドリブルが止まりましたが、ボールはこぼれて藤本の前に。
藤本はフリーでボールを受け、素晴らしいシュートを決めました。
私は翌日のチーム練習で、選手たちにこの場面の事を話しました。
なぜ、齋藤が5人ものデフェンダーに囲まれながらドリブル出来たか。
その結果、大宮のゴール前はどういう状況になったか。
齋藤のドリブルが上手かった、切れ味がすごかったという返事が多かったですが、何を意図していたかを考えさせました。
敵を引きつけようとして、藤本とか他の選手をフリーにした。こういう回答がありました。
私はそれは違うと答え、齋藤は自分でシュートを打とうとしてカットインしたので、相手デフェンダーが必死で対応したと説明しました。
相手チームがゴール前で怖いと思うことはシュートを打たれることです。
相手を引き付けるだけのドリブルで、パスを考えているような選手のドリブルであれば、相手デフェンダーはパスの行き先をマークすればよいので、守りやすい。
決して、デフェンダーを誘い出すためのドリブルではないということ。
これを選手たちに伝えたかったので話をしました。
ドリブルには突破のドリブル、キープのドリブル、スペースを移動するドリブルがありますが、ゴール前でのドリブルはアシストが目的ではいけない、ゴールを狙うという気迫が必要だと伝えました。
さらに、テクニカルな話として齋藤のドリブルそのものについて説明をしました。
齋藤の細かいドリブルは、ハマのメッシという異名を持っていますが、細かいだけではないことに注目です。
相手に囲まれているときは数多くボールにタッチする細かいドリブルでコースを変えています。
しかし、一定のスピードではなく、突然スピードアップしてスペースへ抜け出すことを狙っているので、緩急、メリハリがあるドリブルと言えます。
齋藤のドリブルの素晴らしいところは、スピードアップしてもしっかり身体もついて行っているところです。
私のチームの選手たちのプレーを見ていると、スピードアップを意識することは理解しているのですが、ボールだけ先に行ってダッシュで追いつくという動きが多いようです。
大きいスペースがあれば通用しますが、狭いスペースでは相手デフェンダーにブロックされてしまいます。
代表選出へのアピールともなる齋藤学のドリブルを見て、うちのチームの選手たちも刺激を受けたようです。
単に「うまい」という感想でなく、意図は何か、どんな技術が優れているのかということを考えながらJリーグや代表戦を見ることで、自分たちのプレーが上達することでしょう。
ニュージーランド戦で選手たちが、何を意図したプレーなのか、どんなテクニックを使っているのか、そのテクニックのどこが優れているのかに注目しましょう。
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