ボールを奪われないためにはどうすればいいか?
サッカーは相手ゴールにボールを入れることで、得点できますよね。
ボールを持ったら、相手に奪われずにシュートまで持っていくこと。
サッカーはゴールを奪うゲームだと言われますが、ボールを奪い合うゲームでもあります。
なので、ボールを奪われないということがシュートと同じくらい大事なことなのですが、ボールを奪われないためにどうすればよいかという、指導や選手の目的意識が低いように思います。
指導はしっかりしているけれど、選手の意識が低いということが現状でしょう。
三浦のチームでもその傾向は強いです。
奪われたら奪い返せばいい!というコーチの声のせいかどうかはわかりませんが簡単に奪われすぎです。
特にこの夏の暑い時期の試合では、ボールを奪い返すプレーは体力と気力をものすごく使います。
ボールを奪われないためにはどうすればいいかということについてお伝えします。
■試合中のコートをイメージしてみる
試合中のコートをイメージしてください。相手チームの攻撃で攻め込まれています。
自分のチームのトップの選手はハーフウェーラインに立っていますが、他の選手はすべて自陣に戻って守備をしています。
相手チームは右サイドを起点として攻めて来ました。しかし、自分のチームの左サイドバックの選手が体を使って奪い返し、左ハーフの選手に渡しました。
守備から攻撃への切り替えですね。
ここは絶対にボールを失ってはいけない場面です。
ところがこの選手は、ハーフウェーラインを突破しようとドリブルを開始しました。
相手チームの選手が周りに2,3人いる状況でです。
小学生のサッカーではよく見られる場面ですね。
この場面を見て、ナイストライと見るか、状況判断が乏しいと見るか意見が分かれると思います。
スーパードリブラーなら、2,3人を抜いて相手陣内にボールを運べるでしょう。
しかし、その選手は特にドリブルが得意なわけでもなく、ピンチを脱出したと思い、ドリブルを開始したように見えました。
ハーフタイムにその選手と話をしました。
僕は、少し褒めて、少し反省してもらいました。
少し褒めた内容は、むやみに相手陣内に向かって蹴らなかったことです。
自分のところでボールを奪われたら自分のミスになるからと、さっさとボールを蹴ってしまう選手もいる中で、相手ゴールにドリブルしていった姿勢は褒めてあげました。
少し反省してもらった点は、チームとしてはどうすればいいかということを考えたかということです。
この話をしている時には、他のメンバーも加わってもらいました。
ボールを奪ってから、相手陣内にボールを運ぶために「セーフティ」な方法は何かチームとして考えてみようということです。
クリアーするためにボールを大きく蹴るだけでなく、奪ってからボールをつないで、相手陣内にボール運ぶためにパスをつなぐこと、そのためにはボールを持っている選手だけでなく、受ける選手の意識とポジション(位置)が大事ということを説明しました。
攻撃のための「サポート」の質とか意識というトレーニングを行うことで、このような場面を改善していくことが出来るのですが、やはり、試合の現場ですぐに感じてもらうことが効果があります。
■個人技術での「ボールを奪われないプレー」とは
ボールを持てば必ず相手選手が奪いに来ることになっているサッカーでは、ボールを保持する時に、相手選手から遠い足を使うということが基本です。
しかし、利き足が右足の選手が多く、相手が右から奪いに来ているにも、かかわらず、右足でボールを触るので、相手に簡単に奪われる場面があります。
小学生のサッカーでは、このような基本を徹底することで両足を使うことの大事さを指導し、中学や高校に行っても通用する選手の育成を目指しています。
でも、「相手から遠い足でボールを扱う」という基本がチーム全員に徹底しているチームって意外に少ないんですよね。
小学生の場合、このような場面でボールを奪われても、相手のスキルが高くなければ、また簡単に奪い返すことが出来るので、奪われないという意識が低い場合があります。
もちろん、優れた指導者と意識の高い選手の揃ったチームは、このような基本を小学4年生くらいでしっかりとマスターしていることでしょう。
もし、このメルマガを読んだ方で「うちのチームはそれほど徹底していないな」と感じられたら、その理由を考えてみてください。
僕もそうですが、意外に重要性に気づいていないのかもしれません。
サッカーでは失ったボールを奪い返すことは大切だけれども、失わないことはもっと大切だということに気づいて欲しい、三浦はそう考えています。
利き足は右利きでも左利きでもよいです。ただし、片足しか使えないのではサッカーにならないということを指導していかなければならないでしょう。
両足を使ってキープするということは、両足を使ってドリブルするというプレーに直結します。
相手に簡単に奪われないドリブルを身につけること。
このような角度でドリブル練習に取り組むことで、実戦を意識した練習になるのではないでしょうか。
チーム戦術と個人戦術の両方が揃ってチーム力になります。
指導者も選手もそれぞれの立場でチーム力アップに向かって頑張りましょう!