【鬼木コーチ】comeの概念を通して見るフットボールとの向き合い方③

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こんにちは鬼木です。

今回は、“comeの概念”を通して見る、フットボールとの向き合い方の最後のお話しをさせていただきます。

これまでの記事はコチラ↓

【鬼木コーチ】comeの概念を通して見るフットボールとの向き合い方①

【鬼木コーチ】comeの概念を通して見るフットボールとの向き合い方②

受け手

2つ目の記事のボールホルダーのところで紹介しましたが、ボールとの関係は倉庫番のようになっている方がよいと思います。

ですので、自分が受ける先には目的地があるようにしておきたいです。

絶対ダイレクトのミニゲームを思い浮かべてください。

次にダイレクトで出す場所がない時にボールを受けてしまうとハマってしまいますよね?

これが自分のスクリーンにボールが向かって来る〔来るの概念〕でボールと向き合ってしまう時です。

その瞬間目的地がなくなっています。

上手く行く時は次の場所、その次の場所とイメージ出来て適切な場所に立てているはずです。

その際は「共通の目的地に向かう」という〔comeの概念〕で見ないといけないと思います。

ボールを受けてコントロールする際もボールをコントロールするのではなく、ボールと出会う場所に「comeする」過程にボールがあるだけ。

そうしたら勝手にボールが止まってる。そんな感じにしたいです。

ボールを止めよう、いいところに置こうとする時、ボールとボールを触る足が繋がってしまっている印象です。

「このボールをどうにかしよう。」ではなく、「このボールと一緒に〇〇に行けるところに立とう(倉庫番のイメージ)」とすると結果的にボールがついてくることが多い気がしています。

そんなこともDVD内でご紹介しているので、こちらをご覧下さい…。

 

鬼木祐輔の「重心移動アナライズ2」 Vol 2

 

ですので、相手を食いつかせるため、起点を作るために縦パスを受ける時は例外となりますが、その時も本来であればその次のイメージがあるはずです。

ある時はその次の人と繋がってスルーしてワンツーなども出来たりしますよね。

逆にそれがなく、受けることが目的になりボールを扱うことが目的になっていると、相手に潰されてしまうことも多いと思います。

 

基本的にキックは体の構造上自分が向いている方を0度として、90度以内で行われるはずです。

そして0度に近ければ近いほど正確に強いキックが出来ると思います。

よくレアル・マドリードがSNSでシュート練習のシーンをあげてくれていますが、シュートの際の立ち足の向き、ボールとの距離を見て見てください。

ほとんどのシュートが。ボールがドーナツ内に入るところに適切に立ち(ボールのやや後ろ、倉庫番のイメージ)、立ち足が蹴りたい方に自然に向いているはずです。

ひねっているように見えるようなボレーやヘディングなども、蹴り終わりのヘソの向きは必ず蹴った方向に向いています。

 

走塁編・正しいベースランニングを覚えよう 【仁志敏久から学ぶ 野球の基礎・基本】

 

こちらの動画にありますが、内野安打でファーストにたどり着くことが目的の時と、ファーストは過程でセカンドに向かう時のランニングの角度は変わって来ます。

言われてみれば当たり前のことですが、プレーの中でこれが出来ていない人が多いように感じます。

次のイメージがなくボールを受けることが目的になっている時は、ボールに向かってしまうのでファーストに向かうようにまっすぐボールに向かってしまう。

次のイメージがあり、目的地が認識出来ているとボールホルダー、ボールに対して自然とアングルを作りますよね。

まあ、わざと直線的にボールに向かって相手を釣り出して相手をかわすこともありますが、その際はボールを触りながらアングルを作るはずです。

動画内で仁志さんが「左足でベースを踏む」というところがキックと全く一緒だなと思いました。

左足で蹴る場合は逆回りをイメージしてください。

 

また、以前のメルマガで行くべき目的地と目的地の認識がずれているとスピードが出せずしかも動きのロスが生まれるという話をしました。

「来る」の概念でいつまでもボールと繋がっていると進行方向と目的地の認識がずれてしまうので動きのロスにも繋がるし、受けた時に目的地が自分の背中側にあってシュート打てないし、気づいたら背中側に相手がいて…。

ということがよくあると思います。

ヨーロッパに来て一番感じたのはこのカウンターの質です。

なぜこんなにもスピード感が違うのか?と思いましたが、走る場所、認識するものが変わるだけで全然変わって来ると思います。

日本代表がベルギーにやられた最後のカウンター。

映像をお手持ちの方は、ぜひ縦映像で見て見て下さい。

ベルギーの全ての選手たちは〔ゴール←ボール←自分〕となる場所にcomeしていました。

comeの概念があれば、誰が一番ゴールに向かえる勢いを持っているか?が認識しやすくなるのではないか?とも思います。

よくゴールから見ろ!という声を現場にいると耳にしますが、その言葉の意味はそういうことなんだと思います。

そう出ないとあのルカクの動きは説明出来ないですね。

ですので、〔ゴール←ボール←自分〕になれる場所に立つ、その過程で自分よりもゴールに勢いを持って向かえるやつの矢印を認識する。というのが受け手にとって大切なことだと思います。

 

■オンザボールの守備

守備側が自らアクションを起こしている時はいいのですが、比較的リアクションになってしまうことが多い場合、目の前の目の前の相手やボールに反応してしまうという事が多くなります。

相手は敵が迫ってきたらその地点からいなくなるというのは言われれば当然のことなのです。

目の前の景色に反応してしまうということは相手の目的地と別の場所に向かう動作になってしまうので〔comeの概念〕ではなく〔行くの概念〕になってしまいます。

小学生だろうがプロ選手だろうが抜かれてしまう時はこうなっています。

ですので、目の前の景色(ボール、人)に意識を持っていかれずに、相手がボールとともに向かおうとするラインを認識し、相手との接点に向かうことが大切になります。

 

 

■オフザボールの守備

オフザボールの守備において大切なのは攻撃側の景色を見ることなのではないか?と思っています。

しかし、いわゆる《ボールウォッチャー》というのはボールを持っているボールホルダーの今の形しか認識していないと思います。

そうなると本来行かなくてはいけない場所、付いて行かなくてはいけない相手の進行方向と自分の意識方向は逆向きになってしまうことが多いです。

ですので、目の前の景色(ボール、人)に意識を持っていかれずに、ボールホルダーの状態を見て今の景色から次に起こりうる未来見て、その地点に向かうことが大切になります。

 

comeの概念でフットボールを見る時に大切なのはいずれの立場においても

 ・目の前の景色(イマココ)に意識を持って行かれないこと

 ・いつまでもボールと繋がらないこと

 ・今の形から未来を見る習慣を作ること

だと思っています。

巷にたくさんの方法論がありますが、フットボールを得意にしている人たちは無意識的に持っているこの感覚を知ることがその方法論をより自分のものにするきっかけになるのではないか?と僕は思います。

〔comeの概念〕は特別なものではありません。フットボールを得意にしている国の人たちが使っている言語が持っている概念をフットボールに置き換えて考えただけです。

「フットボールにおける言語化」というテーマで議論されることが多くなっている中、戦術的行為が言語化してる◯◯はいいよねという声も聞きますが、それらは日本語でも十分説明出来ますし、その感覚を持っている人は少なくないと思います。

しかし、一言で概念を説明出来るに越したことはないと思います。

その根本にあるのが〔comeの概念〕なのではないか?と思っています。

フットボールを職業にしてから15年くらい立ちましたが、そこで上手く伝えられなかったことや分からなかったことがこの概念を通じてとても整理しやすくなりました。

〔comeの概念〕を通してフットボールを瞰ることがみなさんの活動のお役に立てたらとても嬉しいです。

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